迷わず今すぐ動物病院へ行ってください。
少なくとも症状が出てから8時間以内に治療を開始すべきです。
ただしその動物病院が閉まっている時間なら、受け付けてくれるか電話で確認し、もし無理と言われたら、受け付けてくれる病院を探しましょう。
それでもだめなら朝まで待つしかありません。
うさぎが首をずっと傾けている(斜頚)、眼が左右(あるいは上下)に動きつづけている(眼振)、ごろごろと横に転がりまわっている(ローリング)、痙攣している、まっすぐ歩けないなどの症状を見たら、まず神経症状を疑うべきでしょう。
これはどれか1つの症状のみが出ることもありますし、同時に複数生じることもあります。
うさぎの神経症状が出る原因として挙げられるものはいくつかあります。
よく見られる原因は細菌かエンセファリトゾーンという寄生虫による脳炎、中耳炎、内耳炎と言われています。
ただ、エンセファリトゾーンのせいでは斜頚は出ないという学者さんもおり、今後の研究が待たれるところです(私は起きると思っているのですが)。
それ以外で、といいますと先天性疾患(遺伝性)、中毒、熱射病、腎不全、栄養不良なども挙げられますが、いずれも根治は難しいでしょう。
うさぎに神経症状が出た場合、腎不全や熱射病などを除けば、どの原因で起きているか確定するのは難しいでしょう。
しかし、改善の見込みがある細菌やエンセファリトゾーンであることを期待して、がんばって病院に通う意義はあると思います。
この場合、症状が出てから早期に治療が開始できたかどうかが、かなり治療性かを左右します(できれば8時間以内。8時間どころか早ければ早いほどよいです)。
これはうさぎに限った話ではありませんが、神経というのは、ダメージを受けるのは一瞬ですが、回復にかかる時間ははるかに長いものです。
人間の脳梗塞などもそうかもしれませんが、何時間もたってから治療をしても、あまりうまくいかないことが多いのです。
場合によっては後遺症が残ることも多々あります。
薬代も馬鹿にならないでしょうし、もしうまく食事がとれないようなら、毎日飼い主さんが強制的に餌を食べさせてあげる必要もあるでしょう。
それは大変な日々と思いますし、これを飼い主さんに強制することは私達獣医師にはできません。
それでも言わずにはいられないのです。「がんばってください」と。
飼い主さんがあきらめたとき、回復への希望も閉ざされてしまいます。
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