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アレス動物医療センター

ペレット

2015/5/9更新

 
  ペレットを良く言う人、悪く言う人いろいろいますが、私は良いペレットを選び、バランスよく与えれば、食事となりうるのではないかと考えています。

 良いペレットと言うのは高繊維質、低脂肪、低蛋白のもので、一番わかりやすい目安は繊維質が最低でも18%というペレットを探すと良いのではないかと思います(できればもっと高いと良いのですが)。

 以前調べてみたところ、日本で作られているペレットは、もっとも繊維質が高くて「18%以下」というものしかありませんでした(今はもっと繊維質が高いものがあります)。

 これでも良いとは思いますが、これよりもさらに繊維質が低いペレットに関しては、私は食事とは思っておりません。「おやつ」です。
 まかり間違っても、10%以下というようなペレットを購入して、これだけで育てようとは思わないでください。

 なぜこのような低繊維質のペレットばかりが売られているかというと、それなりに理由があります。

 第一の理由は、うさぎのペレットははじめ、食用ウサギ(あまり考えたくないことですが)を短期間に肥え太らせるために開発されたものであり、いまだにこれをひきずっているということ。

 もう一つは、あまり繊維質が高くなると嗜好性が悪くなり(うさぎの食いつきが悪くなり)、逆に蛋白質や脂肪分を増やすとウサギががんばって食べてくれるという理由からだと思います。

 結局、あまり食べてくれない健康食より、たくさん食べて、たくさん売れる駄菓子のほうが、儲かると言うことなんでしょうか。

 これはメーカーの考え方にも問題があるかもしれませんが、よく食べてくれるからという理由だけで、ペレットの成分も確認せずに購入している飼い主さんにも責任はあるかもしれません。

 このような日本のペレット事情もあり、ペレットは1日、体重1kgあたり12〜15gまで測ってケージに入れておき(1日6〜7gを2回)、あとは牧草をたくさんケージに入れておいて、好きなだけ食べさせるというのが、もっともバランスのとれた食事なのではないかと思います。
 この量は年齢によって異なり、上記の量は生後1歳以降のこの量で、生後6カ月までの子うさぎさんは体重1kgあたり50gまで(1日25g2回)、生後6カ月から12カ月のうさぎさんは体重1kgあたり25gまで(1日12g2回)というのが目安です。

 ちなみにペレットの切り替えのときは、細心の注意が必要です。
 
 くどいようですが、ここまでペレットを減らすためには、牧草を常に有り余るくらいケージに入れていて、ということが条件になりますので、牧草が飼い主さんがいない時間になくなっているというような事故は起こらないよう気をつけてください。

 ちなみに、同じ繊維質のペレットでも、アルファルファ中心に作られているペレットと、チモシー中心に作られているペレットがあります(他にもいろいろあるのかも知れませんが)。

 どっちでも良いかというとそうでもなく、成長期(生後4〜6ヶ月)くらいまではアルファルファ中心のペレットを食べさせ、6ヶ月を過ぎたらチモシー中心のペレットに変えてあげたほうがより良いでしょう(生後6ヶ月から徐々に切り替えていってあげると良いでしょう)。

 この理由については[干し草、ワラ]の項をご覧ください。

 飼い主さんの多くはペレットがごはんで、干し草や野菜が補助食と考えているようです。

 ペレットを否定する気はありませんが、私はまったく逆で、干し草や野菜がごはんで、ペレットはどんなに優れたものでも補助食に過ぎないと考えています。

 ペレットばかり食べてれば、大概おでぶさんに育ってしまうのです。
 うさぎのおでぶさんは即寿命の短縮につながります。

 人間でもちょっと前まで、体重の重い、ころころした赤ちゃんを「玉のような赤ちゃん」と褒め称えていましたが、今はそんなことないですよね?
 ウサギだって、もうそんな時代ではないのです。 


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