人口密度日本一
狭小住宅の特集などをテレビで見ていると，あー分かる分かると思わず相槌を打ってしまうのですが，だんだんシャレにならないくらい病院が手狭になってきました。
以前もひとりごとで書いたのですが（一人あたり３．３坪病院），うちの病院は２０坪しかない小さい病院です。
東京や大阪などでは珍しくもないのかもしれませんが，おそらく富山県では一番小さい病院ではないでしょうか。
先のひとりごとを書いていたときは獣医師３人，看護師３人の合計６人で，一人当たり３．３坪だったわけですが，明日１１月１日より新人の看護師が二人入社します。
結果獣医師４人，看護師７人の合計１１人。
とうとう二桁へ突入です。
したがって一人当たりの坪数は２坪をきってしまいます。
ちなみに診療器具や検査機械などで，半分が埋まってしまっていますので，実際は一人当たり１坪もない状態です。
狭い，本当に狭い！！
２０年くらい前にソ連に行ったときに，バイカル湖のガイドさんに
「このあたりの山は木６本につき熊１頭いますので気をつけてください」
といわれたことがありますが（それが本当なのか，ロシアンジョークなのかいまだに分かりませんが），それに匹敵する人口過密状態です。
スタッフがうちよりも多い病院は結構あると思いますが，これほど狭いスペースに１１人もいる病院はめったにないでしょう（自慢にならない）。
春にはもう一人獣医さんが来てくれる予定です。
もう，笑っちゃうしかありません。
ここまできたら，人口密度日本一の病院を，いっそ目指してしまいましょうか（得られるものは何もないですが）。
何でそんなにと思われるかもしれませんが，それほど看護師さんの病院における戦闘力は重要であり，それほど過酷な仕事なのです。
動物看護師という職業に憧れを持つ方も最近は多いそうですが，生半可な気持ちで出来る職業ではないのです。
きれいな作業だけではありません，汚い作業もたくさんあります。
かわいい動物だけではありません，凶暴な動物だってたくさんいます。
かわいい飼い主さんだけではありません，凶暴な・・・
まあ，とにかく大変なのです。
以前修行していた病院で，看護師さんを募集したら，５０人くらいの人が集まってしまいました（看護学校卒業の人ではなく，一般の人でしたが）。
そのうち６人を受付業務として雇ったのですが，１週間後にはほとんどの人がやめてしまい，一人しか残らなかったのです。
命にかかわる大きな責任を負い，噛みにくる動物と立ち向かい，わがままを言ってきかない飼い主さんに笑顔で対応し，物忘れの激しい院長の忘れ物を捜して右往左往しなければいけないのです。
看護師さんの１日の労働量は，私３人分くらいに匹敵します（私があまり働いていないという噂もありますが）。
労働基準法ぎりぎりです（こんなこと書いていいのかな）。
私には無理です（言っちゃった）。
より狭い病院となってしまいますが，この新人看護師二人が成長し，現在病院を支えてくれているスーパー看護師たちに匹敵する能力を身につけたとき，より多くの患者さんを助けることが出来，より多くの飼い主さんから不安を取り除くことが出来ると思うのです。
そのためには多少の狭さ，不自由さなど気にしません。
私物入れの引き出しが１０個しかないので，私の分の引き出しがなくなるなんて，まったく気にしません。
・・・ええ，気にしませんとも ；ｘ；
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