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アレス動物医療センター

年中無休



 この病院を開業してからずっとやりたかったことが、ついに今年の3月からスタートできます。

 それは病院の「年中無休」です。

 修行していた病院が年中無休の病院だったせいもあるのですが、開業して以来ずっと火曜日を休診日にすることに抵抗を感じていました。

 とはいっても、夜間救急診療も毎日続くなか、体は一つ。
 週に1日くらいは休まないと、体がもつはずもなく、飼い主さんには非常に申し訳ないと思いながらも、毎週火曜日を休ませて貰っていました。
 
 しかしこの春から、新しいスタッフが3人増え、獣医師4人、看護師5人体制になります。
 すげー!
 狭ぇー!!
 一人あたり2,2坪(お、まだ寝るスペースくらいはあるか!?)。

 これでようやく、念願の年中無休がスタートできそうです。

 休診日を設けては今うが、火曜日に病気になってしまう子ももちろんいます。
 飼い主さんの都合上、どうしても火曜日しかこれない子もいます。
 毎日治療が必要で、火曜日だけ病院が休みだからといって、その日だけ治療をしないわけにもいきません。

 年中無休になれば、きっと患者さんも飼い主さんも喜んでくれると思うのです。
 
 動物にとって不利益にならないことなら、飼い主さんのあらゆる要望に応えたい。
 そういう意図でつけた「アレス(あらゆるもの、あらゆること)」動物病院という名前。
 ようやく少し、名前にあった環境になってきたのかもしれません。

 しかし年中無休は患者さんのためだけのサービスではないのです。

 このあたりで日祝日、夜間救急をやっているのは、今のところうちだけのようで、近隣の先生方からも、そんなに働いて体は大丈夫なの?
 と、よく気遣いの言葉を頂きます。
 まして年中無休となると、本当に大丈夫?といわれそうですが、実は私としては、すごく楽になるのです。

 前にもひとりごとのどこかで書いたかもしれませんが、開業してまる3年、この間富山県を出たことはほとんどなく、それこそ半日くらい離れたのは、1,2日くらいだったかと思います。

 病院は休みでも、入院患者さんの世話があります。
 病院は休みでも、緊急疾患で担ぎこまれてくる患者さんもいます。
 病院は休みでも、それに気づかず、間違って病院に来ちゃう人もいます。

 結局休診日とはいえ、半日くらいは病院で過ごす羽目になるのです。
 
 先月のひとりごとであんなことを書いたバチが当たったのか、1/3の休診日には救急の患者さんが殺到し、朝の9時から夕方の6時までメシも食わずにノンストップ診療。
 たった一日の私のお正月は、通常の診療日よりも働く羽目になってしまいました。

 ゴールデンウィークやお盆もそうですが、他の病院がお休みのときに、うちの病院の休診日が重なると、スタッフがいないまま泣きながら働き続ける羽目になります。

 これがなくなるのです。
 ですから、ようやく私にも、週に1日病院に来なくてすむ日ができるのです。
 時々実家に帰ったり、映画を見に行ったりできるのです。
 しあわせー!
 
 はじめは一人きりで始めた病院。
 年々スタッフが増え、年々私の負担が減っていきます。
 とうとうお休みをきちんともらえるくらい負担が減り、きっと私はこれまでとは比較にならないくらい、体も心も休めるようになります(たぶん)。

 年中無休はいつでも病院にこれるようにという患者さんへのサービスではありますが、きちんと休めるようになるという私へのサービスでもあるのです。

 休みの日に何をしよう(多分何もしない。不活発な人間だから)。
 休みの日にどこへ行こう(多分どこにも行かない。インドアな人間だから)。

 そんなことを最近考えるのです。

 ちょっと心配なのは収納スペース。
 暖かいシーズンはともかく、冬のコートやブーツ9人分。
 いったいどこにおいたら良いんでしょう? 

 不安も少しはありますが、早く三月にならないかなーと、今からわくわくしています。


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