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アレス動物医療センター

うさぎの病気 しこりがある(腫れている)

緊急性

 元気、食欲があるなら今日、明日中(せめて今週中には)動物病院へ行ってください。
 元気食欲がないようなら迷わず今すぐ動物病院へ行ってください。

解説

 全身のどこかが腫れているというと、よくあるのが腫瘍、膿瘍(膿がたまっている)、リンパ節が腫れている、脂肪がたまっているといったところでしょうか。

 腫瘍は出きるだけ早く取るべき悪性の腫瘍もあれば、命に別上のない良性の腫瘍もあります(ただし良性の腫瘍が永遠に悪性に変わらないという保障はありません)。

 この良性、悪性の判断は獣医師でもひとめ見てわかるというものではありません。
 腫れている部分の一部を採り、専門家に見てもらわないと、わからないことのほうが多いです。
 うさぎさんの場合、局所麻酔だけで病理検査に耐えるほどの大きな摘出が出来ない場合が多いので、手術で全摘出して、これを術後に病理検査に回すという手順のほうが多いかもしれません。

 膿瘍は、例えば怪我をした後などに皮膚の下に膿がたまって気づくことが多いのですが(内臓にできる膿瘍などは外観ではわからないので)、これはほっとくと皮膚が裂けて破裂してしまうことがあるので、腫瘍と同じく急いで病院に連れていったほうがよいのです。
 基本的には飲み薬で治ることはまれで、大概は腫瘍を摘出するように、膿瘍も摘出手術が必要になることが多いです。
 詳しくは膿瘍をご覧ください。

 リンパ節(あごの下やわきの下、足のつけねなどたくさんあるのですが)が腫れるのは、リンパ節に腫瘍ができた(リンパ腫という非常に恐い腫瘍や、あるいはどこかの腫瘍がリンパ節に転移した)場合と、そのリンパ節の近くにある臓器の炎症を治そうとがんばって働くために起こる場合があります(例えば人間が風邪をひいたときに扁桃腺が腫れるように、歯肉炎を起こすとあごの下のリンパ節が腫れたりします)。

 リンパ節の腫瘍は今のところこれといった治療法があるわけではありません。
 ただ今後の研究で、うさぎさんにも副作用の少ない抗がん剤の研究などが進むかもしれません。
 今のところ副作用に見合うだけの効果が保障されている薬の組み合わせはまだ確立していない状況です。

 炎症に伴って起こるリンパ節腫脹の場合もほっておいていいものではありません。
 元にある炎症を治療する必要があります。

 脂肪がたまっている場合は、急激に大きくなってこない限りはそれほど気にする必要はないでしょう。
 ただしこれは肥満と言うことになりますから、獣医師に相談し、適切なダイエットを行う必要があるかもしれません。

 このように、どこかが腫れるという病気はたくさんあり、急を要するものから、それほど急がなくてもよいものまでいろいろあります。

 重要なのは、中身が何なのかは外観からではわからず、獣医師が注射器で中身を抜いて、顕微鏡で見てようやくわかるということです。
 
 獣医師ですら時間をかけて検査しないとわからないことを、自宅で判断してはいけません。 


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