初めまして、東北で2匹のウサギと暮らしています。
先生のサイトには、ウサギを飼い始めた5年ほど前から大変お世話になっています。
ありがとうございます。
今 回、ネットで調べてみても答えに辿り着きにくい事がありまして、質問メールを差し上げました。
家族と同居しているのですが、一人(父)が家の中に牧草を置く事を大変嫌っています。
「人間の健康に悪い」という事で。
(古い人間ですので、うさぎは外で飼うべきものという固定概念があり、牧草だけでなくウサギを屋内で飼う事自体も「家のウサギ小屋化」は嫌だと抵抗が強いのですが)
父の主張は、牧草の粉塵はどうしたって家中の大気を巡るもので、それを吸うのは身体に良くない。
アスベストと一緒だ、とまで言いました。
例えば農家だって、稲わらを扱う時にはマスクをするものだ。それだけ、人体に良くない。 友人は肺がんで死んだ、俺はそうはなりたくない等とも。
ぶしつけな質問ですし、獣医さんに伺う内容ではないのかもしれませんが、出来ましたらアドバイス頂けると幸いです。
ご存知でしたら、参考になるサイトや文献をご教示頂くだけでも有難く思います。
よろしくお願い致します。
さて牧草の発癌性ですが、当たり前ですがないです。
農家の人が牧草を扱うときにマスクを吸うのは、大量の牧草の粉末が舞い上がるのを吸い込むのは、大量の埃を吸い込むのと同じで、発癌性や有害性があってではなく、要は大量の異物が肺に入ってくるのを防ぐためでしょう。
ほこりや牧草が舞い上がる中作業をすれば咳き込んだりもするでしょうし、それはもちろん体に良くないでしょうが、アスベストのように有害物質を吸い込むこととは、もちろんぜんぜん違います。
牧草の中に顔を突っ込んで粉塵を大量に吸い込む行為は、埃の山に顔を突っ込む行為であり、それはもちろん良くないでしょうが、大気をめぐる目に見えない牧草をすうのは、大気をめぐる埃を吸うのと同じであり、
「じゃあお宅のおうちには、大気中に埃はないのですか?それをすったら肺がんになるのですか?」と言うお話になってしまいます。
牧草で肺がんになるのなら、北海道で牧草を作っている農家の人はみんな肺がんになり・・・と、まあ書き始めるときりがないのですが、単にお父さんがおっしゃっているのは家の中でウサギを飼いたくないなり、牧草の匂いがするのが嫌なりと言うのを、理屈っぽく非難されているだけで、科学的根拠も何もありません。
子供の屁理屈みたいなものです。
私は以前青森の十和田に住んでいたのですが、やはり東北でウサギを外飼いするのは無理であり、またうさぎは生きていくために牧草は必要不可欠です。
飼ってしまったからには、命に対する責任は発生してしまうわけで、お父さんには申し訳ありませんが、うさぎさんの天寿を全うするまでは、我慢していただくしかないのではないでしょうか。
ただ、牧草の出し入れで粉末が舞うようでしたら、そのときはマスクをするのは良いことだとは思います。
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