本文へスキップ

あなたがウサギに出来ることは 獣医師による うさぎ専門情報サイトです。

MAIL alles@usagi.cn

アレス動物医療センター

うさぎの診察って特殊?

疑問、質問

この間、飼ったばかりのミニウサギを健康診断に連れて行こうと思い、中学生の時にうさぎの治療でお世話になったことのある病院に電話で確認したところ、「うちでは体温を測るくらいしかできないので、よろしければ詳しく診てくれる病院を紹介しましょうか?」
と言われました。

そこでふと疑問に感じたのですが、うさぎの診察が出来るのであれば健康診断も可能ではないのですか?

紹介していただいた病院は遠いので、せっかく健康診断していただいてもかかりつけの病院にはできません。

うさぎの健康診断はそんなに特別なものなのでしょうか?

お返事

 さて現在は少しずつ代わってきているかもしれませんが、私が獣医科大学にいたころは、大学でウサギを触ったことは一度もなかったです。

 つまり、大学時代はウサギについての知識はほぼ0に等しく、その後動物病院に就職してか初めて診療に携わるようになります。

 ですから就職先の動物病院がまったくうさぎの診療をしない病院では、もちろんそのままウサギを触ったことのない獣医師が出来上がるわけです。

 以前他の病院の先生に聞いたときに、うさぎは月に一回か二回来るくらいかなーとおっしゃっていたので、病院によっては月に1件だけ来る病院から月に200件以上来る病院までばらばらです。

 そうすると、どれくらいがうさぎのベスト体重なのか、うさぎの口の中はどうなっているのが正常なのかすら知らない獣医さんが多いわけで、下手すると何度で飼育したらいいのか、何を与えるのがよいのかすら知らない獣医さんもいるわけです。

 以前、うさぎの尿検査をしたらストラバイトという石が出ていたからという理由で(ウサギでは正常です)、猫の膀胱結石用のフードを与えるように動物病院で指示された、という患者さんが来たことがあり、ウサギに肉のキャットフードを与えてはいけないということすら知らない獣医さんもいることで、これは笑い話ではすまない内容です。
 
 ウサギを見ることができないからと言って、ダメな獣医さんというわけではなく、耳鼻科の先生が目の治療をできないのと同じで(逆もそうですが)、単に分野が違うだけです。

 たとえば私は爬虫類の診察がまったく分からないわけで、私の人生で爬虫類を診察したことどころか、触ったこともなく、フードは何を与えるのかすら知りません。

 おそらく爬虫類を飼っている飼い主さんのほうが、よっぽど私より知識があると思います。

 ですから私も、爬虫類の診察を依頼されたら、それがたとえ健康診断でも「申し訳ありませんが、まったくわからないので、爬虫類を診察される病院で診てもらったほうが良いと思いますよ」
 とお答えします。

 以前はどこの病院もうさぎの診療レベルは似たり寄ったりだったので、紹介する先もなかったのでしょうが、今はうさぎの得意な病院と、そうでない病院の差はとても大きくなっていますので、その病院で診察するよりも紹介したほうがずっと飼い主さんとうさぎさんの益になると考えたのでしょう。

 分からないことを分かったような顔をして、診療した挙句、お金を取る病院よりは、その電話対応をされた病院のほうが、誠意のある対応と思います。  



アレス動物医療センター

〒933-0813
富山県高岡市下伏間江371

TEL 0766-25-2586
FAX 0766-25-2584