質問は避妊手術についてです。
いま、うちのうさぎは4ヶ月なのですが、避妊手術を考えています。
リスクはもちろん考慮した上での決断です。
避妊手術には、卵巣のみの摘出手術と子宮も摘出する手術があると聞きましたが、どのような違いがあるのでしょうか?
繁殖を防ぐ目的ではなく、子宮の病気を防ぐ目的なら子宮も摘出しないと予防にはならないのでしょうか?
さて避妊手術ですが、卵巣のみの摘出でも早期で(生後10か月未満くらいで)、かつ開腹時に子宮に異常がなければ、子宮癌や子宮蓄膿症の予防効果があるといわれています。
論文で生後10カ月で子宮疾患を発症したうさぎがいるとの報告があるので、僕はこの10カ月を境目としております。
つまり10カ月未満であればまだ子宮疾患になっている可能性が低いので卵巣摘出術を、それ以降の手術は子宮疾患になっている可能性を考慮して卵巣子宮全摘出術という風に選択しています。
これは今後の学会発表などで変更することもあるかもしれませんが、2023年3月時点ではそのように判断しています。
ちなみに、それぞれの長所、短所ですが
卵巣摘出手術
長所:手術時間が短くて済、手術に対する安全性は高い
短所:子宮を残す以上、100%子宮疾患を予防できるとは言い切れない
子宮摘出手術
長所:卵巣と一緒に子宮もとるので、子宮疾患はほぼ100%予防できる
短所:手術時間が長く、その分手術の危険性が若干高くなる
予防は大事ですが麻酔で死なせては元も子もないですし、かといってリスクが高いからと子宮も取るべき年齢で卵巣摘出術だけを実施して将来子宮癌になっても意味がないですし、リスクとメリット、デメリットを比較して、少しでも安全性が高い選択をしなければいけないと思っております。
ただこれはあくまで僕のやり方で、獣医さんによって慣れた手術や考え方の違いもあるでしょう。
あくまで一意見として参考にしていただいて、主治医の先生の慣れた方法を優先した方が良いのではないかと思います。
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