うさぎの持続的、あるいは何度も再発する目やにというものにはいくつかあるので
すが、多いのは次の3つです。
一つ目は、パスツレラなど常在菌(出産時母親の産道を通る間に、感染し、鼻の中で隠れ住んでいることが多いのですが)が、何らかのストレスなどにより増殖し(日和見感染というのですが)、その度に結膜炎を起こし、目やにを出すというものです。
この鼻の中の常在菌は完全に撲滅することは不可能であり(うさぎの鼻の中は非常に複雑な迷路のようになっているので)、大元のストレス源を探し(あるいは別の疾患を探し)、これを解決しつつ、症状の出るたびに点眼を行うということになります。
ストレスとは、例えば気温であったり、食餌であったり、ケージの掃除回数であったり、別の隠れた病気であったりと様々で、なかなか見つけ出すのは困難です。
二つ目は、歯の問題で、特に奥歯の歯根膿瘍(歯の根っこの炎症)や、歯根の伸びすぎが原因で、目やにが出たり、くしゃみが出たりという症状を繰り返すことがあります。
これは目薬と内服薬で一時的に改善することがありますが、根本的に歯を抜くことが無い限り、これも再発を繰り返します。
では、奥歯を抜くことが出来るかというと、非常に困難です。ホントに困難です。
歯根周囲が炎症でぼろぼろになって、歯がぐらぐらしてる状態でもないと、ちょっと無理かもしれません。
三つ目に挙げられるのは鼻涙管閉塞という病気(というか状態といいますか)です。
鼻涙管とは涙が眼から鼻へ抜ける管で、24時間延々と産生されている涙が、唯一排泄される経路です。
で、ここに細菌やほこりなどが詰まってしまうと、涙が鼻に抜けずに、目やにのように眼からあふれ出て、場合によっては涙やけで目の周囲が脱毛して皮膚が赤くなってしまうこともあります。
この場合は、鼻涙管洗浄というのを行うと改善することがあるのですが、鼻涙管が簡単に詰まるのは、先天的な鼻涙管の細さや、先の歯の問題など隠れた原因があることが多く、洗浄しても、数週間後(早いときは数日後)にはまた詰まって、定期的に洗浄を行わなければならないことがほとんどです。
他にも角膜の傷やまつげ、まぶたなどの異常により目やにを繰り返すこともあるのですが、結局どの原因にしても、再発を繰り返す目やにには完全に治るというものは少なく、症状が出るたびに、あるいは定期的に治療が必要なものばかりです。
ただ、大事なことは、同じ治療を繰り返すにしても、この中のどれが原因で起こっているかというのをきちんと鑑別し、無駄なく、それに応じた治療を繰り返す必要があるということです。
なかなか大変なものなのですが、気長に付き合ってあげてください。
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