本文へスキップ

あなたがウサギに出来ることは 獣医師による うさぎ専門情報サイトです。

MAIL alles@usagi.cn

アレス動物医療センター

たまには病気も・・・



 先月の中ごろから今月中ごろくらいまで,結構な体調不良で,病院内でまったく戦力になってなかったのは〜〜〜あたしだよっ!!
 というわけで,この一月あまり働いておりませんでした。

 眼科,皮膚科,総合病院と病院を渡り歩き,ずいぶんスタッフにも迷惑をかけましたが,うれしい誤算もありました。
 それは,スーパー獣医師4号の飛躍的な成長です。

 何のアレルギーなのか,ある日突然両目が真っ赤になって,開かなくなり,数分おきに流れ出る涙と目やにで前も見ることが出来ない始末。
 あわてて眼科に行った翌日に,顔を中心とした痛みを伴う湿疹。
 眼科と皮膚科をはしごした翌日には,風邪なのか喘息なのか,咳で夜寝られない呼吸困難・・・
 と,今までの不摂生な生活が一気に爆発したような,病気のオンパレード。
 
 今までなったこともない病気の連続で,本気で「ちょっとまずいんでない!?」と不安になった一月でした。

 元気や食欲はあるのですが,診察室に立つと,「先生どうしたの!?」と患者さんに心配される始末。
 医者の不養生とは,まさにこのことです。

 患者さんに余計な心配を与えないようにと,奥にこもっているのですが,なにぶん元気なもんで,退屈で退屈で・・・(スタッフに怒られそう)。

 各病院での待ち疲れに,寝てばかりで外出もほとんどしない毎日,かなり鬱々とした日々をすごしていたのですが,その中で唯一心の支えとなってくれたのが,スーパー獣医師4号の急激な成長でした。

 私が診療に出られない分,当然他の獣医師の診療数が増えるわけで,2号,3号だけでは診療が回りきらなくなり,それを補おうと4号の診療数が急増したのです。

 私の抜けた穴を埋めようと,次々と診察をしていく4号の診療内容に聞き耳を立てながら(いやらしい),いつの間にこんなに成長していたのかと驚き,また日に日にレベルアップしていく姿にわが子の成長を見るような思いでいました。

 自転車に乗る練習をしている子の補助のようなもので,私がいつまでも後ろで支えていると,よけいに一人で走り出すのが遅くなるのだと,改めて痛感しました。

 もともと分かってはいるつもりだったのですが,ついつい転ぶんじゃないだろうかと心配してしまい,過剰な補助をしていたのかもしれません。

 もちろん命にかかわる職業ですから,完全に走り出せるまでは,補助し続ける必要はあるのでしょうが,もっと地味ーに,目立たないよーに補助しなければいけないのかもしれません。
 
 こんなにしっかりと支えてくれるスタッフがたくさんいるのに,それでもがんばらなきゃと気を張っていた自分がいたのかもしれません。

 開業してまもなく食中毒になり,便所にこもって,それでも一人で吐きながら診療していたころがうそのようです(汚いなー)。

 もうあのころと違って,食中毒になったら,休んでいいんです(当たり前)。
 旅行に行きたくなったら,休んでいいんです(・・・それはダメだとスタッフが言ってます)。

 ただ後輩獣医師たちの成長のためには,病気か何かで,追い詰められるというシチュエーションが,たまには必要なんだなぁと思ったのです。
 
 そして来年,もし運悪く病気になれなかったら,獣医師育成のために,断腸の思いで温泉旅行にでも行こうと決心したのでした。 


アレス動物医療センター

〒933-0813
富山県高岡市下伏間江371

TEL 0766-25-2586
FAX 0766-25-2584