最近怖いなーと思うことがよくあって、それは休日など油断しきった状態で街中をうろうろしていると、よく患者さんと会うということです。
以前ひとりごとにも書きましたが、実はいまだにジムに通っています(我ながらよく続いている^^)。
で、何度目かのジム通いの日に、ジムの受付のお兄さんに「いつもうちの○○がお世話になってます」といわれ、そこでようやくジムで毎回会うそのお兄さんが、うちの病院の患者さんだということに気づいたのです。
気を取り直してジムに通い続けていると、帰り際に受付のお姉さんに「この間はうちの○○がお世話になって・・・」と、また患者さん。
汗だくになって、だらしなく立っていると、「先生、こんにちは」とまた患者さん・・・。
基本的には非常に根のくらい人間ですので、日ごろはうつむいて生活していることが多く(ほんとに暗いなー)、こちらから患者さんを発見することはまれなのですが、やはり患者さんからはすぐ目についてしまうようです。
その他にも、コンビニのレジで「この間はありがとうございました」
ネットカフェに行っては「あら、せんせい!?」
レンタルビデオ屋さんに行っても「先生お久しぶりです」
・・・
声をかけてくれた方だけでもかなりの数ですから、この分だと声はかけてなくても、内心「あ、アレス動物病院の先生だ」と思ってる人は、結構いるのかもしれません。
これは結構怖いです。
下手なことができません(いや、別に何をしようというわけではないのですが)。
まあ、それはともかく、そうやって病院の外で患者さんと会う機会が増えるたびに思うのが、
ああ、患者さんには優しくしてあげなきゃなぁ〜
ということなのです。
うちの病院は診療中のしゃべりがやたらと長いことで有名です(どんな病院!?)。
時には、お説教になることもあります。
動物にあげてはいけないものをあげていたり、
しつけ上やってはいけないと言われていることをやっていたり、
病気になってから、病院に連れてくるのがあまりに遅かったり、
そんなとき、かなりお説教をしてしまいます。
獣医師の説教など、あまりに理尽くし、正論で、あまりに熱を込めた説教をしすぎると、飼い主さんを追いつめてしまいかねないのです。
飼い主さんとしては「いや、先生が言うことが正しいのはわかるんだけど・・・」と、萎縮させてしまっては、説教が怖くて、病院の敷居を高く感じてしまうかもしれません。
結果病院へ連れて行くのが遅れて病気が悪化して・・・と、場合によっては動物にとって、逆に不利益になりかねないのです。
それはわかっているのですが、こちらも人間、言い訳ばかりをしてなかなか理解を示してくれない飼い主さんを、お説教でへこませてしまい、後になって
「何もあそこまで言わなくても良かったなー」と後悔することもしばしばです。
で、街中で患者さんと会うと思うのです、お説教で思いっきりへこませてしまった患者さんと街中で会うのは気まずいなーと。
今説教をしている最中のこの飼い主さんが、もし実家の近所に住んでる知り合いのおばさんだったら、
もしよく通っているメシ屋のおばさんだったら、
もしいつも通っているジムのお姉さんだったら、
はたして自分は、ここまでお説教で追いつめるだろうかと。
おそらくもうちょっとソフトな言い回しをするのではないかと思います。
あるいは最後まで追い込んでしまわずに、早々に説教を切り上げるのではないかと思うのです。
診療でしゃべり倒すのも、説教をしてしまうのも、これは性分なのでやめることはできないでしょうが、今話している患者さんは、いつかどこかの街中で会うかもしれないと、考えながら話をしなければと思いなおしたのです。
思い直したのですが、なかなか急には変えられないようで、その効果はまだ感じられないかもしれません。
しかし、なが〜い目で見ていてください。
今年の私は当社比1.2倍のやさしさで診療している(つもりなのです)。
〒933-0813
富山県高岡市下伏間江371
TEL 0766-25-2586
FAX 0766-25-2584