以前ひとりごとで獣医師を募集したら、本当に来てくれる人が見つかりました。
何でもやってみるもんですねー。
先日3月17日に今年の獣医師国家試験の合格発表がありました。
農水省のホームページに掲載されている合格者リストを、どきどきしながらうちのスーパー看護師さんと見ていました。
というのも、今年の春から来る予定の獣医さん(仮)の合格発表だったからです。
合格発表をどきどきしながら見るという経験はえらく久しぶりですが、無事その獣医さん(仮)の名前を発見し、病院で地味な歓声が上がりました。
夏、秋と忙しいシーズンが続き、「冬にはきっと暇になるから」というのがスーパー看護師さんとの合言葉でした。
開業してまだ一年とはいえ、獣医師一人、看護師一人ではすでにいっぱいいっぱいの状態。
まして私よりもはるかによく動くスーパー看護師さんにとってはつらく、厳しい日々が続きました(・・・他人事みたい)。
ところが冬になっても過酷な労働は絶えることなく、 「・・・ぜんぜん暇にならないじゃないですか」と珍しく愚痴ったスーパー看護師さんが妙に印象的でした。
そしてスーパー看護師さんの心の支えは春にくる(はずの)新スタッフだけとなっていました。
それは2004年度版のカレンダーを買ってすぐ、4月1日(新スタッフが来る日)に
丸をつけるほど、スーパー看護師さんは追い詰められていました。
かわいそうに(やはりどこか他人事)。
そしてようやく新スタッフとして、看護師さん一人、獣医さん一人が4月1日から来てくれることが正式に決まったのです。
看護師さんが増えれば、うちのスーパー看護師さんの仕事は楽になるはず、
獣医さんが増えれば、夜中の緊急手術で朝日を見る機会も減るはず、
みんな幸せになれるはず、
・・・です(たぶん)。
まあ、楽になるかどうかは別として、スーパー看護師さんは新人看護師さんを育てるという新たな仕事とそれに伴う苦労と喜びが増えるわけで、私は私で新人獣医さんを育てるという苦楽を得ることができるわけです。
これからは興味のある勉強会や研究会には片っ端から新人獣医さんを出向かせ、より新しい知識や技術を病院に取り入れることができるでしょうし、その獣医さんが育てば、私も行きたい勉強会などに参加できるようになるかもしれません。
もしかしたら、週に一日くらい夜間診療を任せて、電話にびくびくしなくてよい、静かな夜を得られるようになるのかもしれません。
しかも病院で一人ぼっちという時間がなくなるのです(今まではスーパー看護師さんが週休二日制なので、週に一日は一人ぼっちで診察していたのですが)。
あぁ、夢のよう。
今頃4月からの新生活に希望と不安を膨らませているであろう新人看護師さんと、新人獣医さん。
そしてそれと同じく希望と不安に胸を膨らませている私とスーパー看護師さん。
何から教えるとよいだろう。
どう教えたらわかり良いだろう。
師匠はあの時どうやって教えてくれてたっけ。
そんなことを最近よく考えます。
向こうは新米獣医師、新米看護師ですが、こっちは新米指導獣医師です。
不安と希望がいっぱいですが、それでも4月1日が待ち遠しいのはやはり希望のほうがはるかに大きいのでしょうね。
スーパー看護師さんも本当に指折り数えて新人看護師さんが来るのを待っています。
日めくりカレンダーを作成しようかという話があがったくらい、待っています。
ただ、血球計算機や性能の良い電気メスなど優れものの機材がそろう前に、ないなりに苦労してやりくりしていたスーパー看護師さんは、新人看護師さんが何の苦労もなく(ということもないのでしょうが)血球計算機などが使えることが、ちょっと悔しいようです。
「看護師心は複雑だね」と問うと。
「乙女心は複雑なんです。」と訂正されてしまいました。
〒933-0813
富山県高岡市下伏間江371
TEL 0766-25-2586
FAX 0766-25-2584