今日でもう1月も折り返し地点。
昨年の盆の状態から、だいたい想像はしていましたが、やはり怒濤のお正月でした。
いまは予定外手術もすべて終了し、ようやく通常通りの診療に戻りました。
普段の生活ってすばらしい!と思うわけです。
お盆もそうでしたが、正月など連休の忙しさは常軌を逸しています。
また看護士さんも正月休暇に入り、看護士さんのいる診察に慣れきった体では、その負担は大きく、12月の30日から1月の2日までは、まさに地獄の様相でした。
1月1日は、近隣の先生とクエ鍋を囲んで新年会!と思っていたのが、これもとうとうかなわず。
たいして楽しみにしていたわけでもないですが、紅白歌合戦を結局一瞬も見ることが出来ませんでした。
年末年始なので夕方の5時までの診療とさせてもらったのですが、お盆同様診療時間内はさほどの混雑もなく、来院数自体は15件前後ととやや少ないくらいでした。
ただ、元旦から病院に来るくらいですから、その来院理由は交通事故や尿閉(膀胱結石などでおしっこがまったくでなくなる非常に危険な状態)など、かなり切羽詰ったものが多く、それはそれで忙しいのですが、問題は診療時間が終わった後です。
来るは来るは診療時間内よりも多くの患者さんが、ぞろぞろぞろぞろやってくるのです。
尿閉、交通事故、落下事故など深刻なものから、下痢や嘔吐、皮膚病などさまざまな患者さんがやってきます。
そもそも年に一度の親戚なりお友達が集まり、ストレスだったり、はしゃぎすぎたり、酒のつまみをもらっちゃったなりと、盆や正月は下痢嘔吐の患者さんが増えやすいのですが、これが診療時間が終わるとともに怒濤のようにやってくるのです。
一件診終わったと思ったら、見慣れない患者さんが待合室に座り、その患者さんを診察していたら、また見知らぬ患者さんがやってきて・・・。
そうかと思うと、ようやく診察が途切れ、逃げるようにアパートに帰ったら、部屋についた途端に電話がかかり・・・。
さすがに「いやぁー!!」と叫びたくなる状態でした。
診療時間内の瀕死の患者さんよりも、やや軽度の(といってもそれなりの状態の)患者さんが、なぜに診療時間外に集まるのか不思議なのですが、私が想像するに次のような心理ではないのかと思うのです。
「ちょっと下痢気味だけど、お正月だから、主治医の先生も休んでるし、正月が明けたら病院へ行こう。もしかしたら自然に治るかもしれないし・・・」なーんて考えていたら、良くなるどころかどんどん悪くなり、「これはひょっとして、とてもよくない病気なのでは?」とあわてて電話をかけてくる。
そんな感じなのではないでしょうか。
その証拠に、というほどではないのですが、年末年始の夜間救急の飼い主さんはみな口をそろえて「3日前から下痢をしてて」とか、「4週間前から尿に血が混じってて」とか「5日前から食欲がなくて」というような、
「結構前からじゃん!」と言いたくなるような状態の子が多いのです。
基本的には飼い主さんを怒らない、と言うのが私の診察における決め事なのですが、さすがに夜中の12時にやってきて「1週間前から・・・」とかいわれると、「夕方の5時まで病院は開いていたんですけどねぇ」と愚痴のひとつも言いたくなってしまいます(もしかしたら何人かには言っちゃったかもしれませんね)。
どんなに腹立たしい(と私が感じるような)飼い主さんでも、飼い主さんを怒ったりして、動物病院に来ること自体に敷居の高さのようなものを感じさせては、飼い主さんが病院と疎遠になり、結果動物にとってはつらい状態になる。
怒らなくても、時間をかけて説明すれば、笑顔のままでも飼い主さんの考えを諭すことが出来るはず。
だからどんなに腹が立っても、怒らない、嫌な顔をしない、にっこり笑って診察する、と言うのを常に心がけています。
その考え方が良いのかどうかはわかりませんが、むすっとしかめっ面で飼い主さんを睨み、管理不足を怒鳴りつけることはけしてその動物にとってメリットになるとは思えず、どんなに時間がかかっても笑顔で方向修正をするようにと思っているのです。
ただ、じつは根が短気なもので、なかなかこれを貫き通すことが出来ず、むすっとした顔を飼い主さんに見せてしまい、後悔することが多々あります。
まだまだ修行が足りないな、と思うのです。
疲れがその戒めを緩めるのか、あまりにひどい状態でむっとする気持ちを抑えきれないのか、今年の正月はあまり好きではない自分をちらちらと見かけたような気がします。
やはり早々にスタッフを増やし、夜中の2時でもにっこり笑って診察できるような体制を作っていかなければいけないのでしょうね。
先日食べ損ねたクエ(魚です)をいただき、一人アパートでクエ鍋をつつき、あーようやく正月が終わったんだと、ほっと一息。
お酒も飲めないので、むかし録画した「サトラレ」を見ながら一心不乱に鍋をつつく私。
うっすらと目に涙を浮かべていたのは、映画のせいか、クエ鍋のおいしさのせいか、それとも寂しさのせいか・・・。
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