エコーというものをご存知でしょうか、日本での正式名は超音波画像診断装置(かな?)、妊婦さんのお腹にあてて、お医者さんが「男の子ですねー」とか言うあれです。
要は魚群探知機の性能の良いやつ(ちょっと違うか?)で、超音波を利用して心臓やお腹の中の臓器、眼球など、本来なら手術しなければ見ることが出来ないはずの内臓を、動物に苦痛を与えずに見ることが出来るというものです(大雑把な説明ですが)。
そのエコー(超音波画像診断装置)がとうとう、うちの病院にもやってきました。
といっても、実は開業当初から、師匠からいただいたエコーはあったのですが、なにぶん古いもので、ウサギやフェレットを見ることの出来ないものでした。
それでもこの一年間ずいぶん活躍してくれて、レントゲンなどでは発見できない病気をたくさん見つけてくれました。
しかし残念ながらウサギやフェレットなどの小さい動物を見るほどの精度はなく、ずっと小動物でもきれいに見えるエコーが欲しかったのです。
今回病院に導入されたエコー君2号は「ハムスターから大型犬まで」が売りの、なかなかの優れもの。
ちなみにこの病院の開業を支えてくれたエコー君1号は、金沢で開業した友人の病院に嫁いで行きました(今まで本当にありがとう)。
なにぶんうさぎの診療が猫より多い不思議な病院、そのうさぎの診療でいつも頭を悩ませるのがメスの子宮疾患です。
犬の子宮疾患はレントゲンではっきり異常が認められるものが多いですが、ウサギくらいのサイズになると、子宮癌や子宮蓄膿症があっても、必ずしもレントゲンにはっきり写るとは限らないのです。
で、子宮疾患の疑いがあっても、はっきりとした確証がないまま、手術に踏みきることが結構あったりします。
あけてみて「やっぱり子宮癌だったか」ということも多いです。
飼い主さんとしても、はっきりと子宮疾患とわかっていれば手術に踏み込む勇気がもてても、あるかないかはっきりしないと、手術を決断できないこともあるでしょう。
それがこのエコー君2号により、かなり改善されると思うのです。
ちなみに値段は、うん百万円。
私の食費で換算すると10年分に相当します(換算するな)。
笑っちゃう値段ですが、導入からまだ一月もたってないですが、かなりがんばって働いてくれています。
先月のひとりごとで、医療機器の導入について書きましたが、あのような文章を書いているうちに、設備投資への欲求がぐんぐん高まり、「こういうのって、勢いに任せないとなかなか、買う決断がつかない!!」と、自分に言い聞かせて、買ってしまいました。
買いたい医療機器は山ほどあるのですが、最終的に購入候補に残ったのが、このエコーと血球計算機の2つでした。
血球計算機というのは、血液を機械にセットすると、勝手に赤血球や、白血球、血小板など大事な情報を測定してくれるという非常に便利な機械で、今はその機械がないので、看護師さんが一生懸命顕微鏡で白血球の数などを数えたり、外部の検査機関に出して測定したりと、面倒なことこの上ないのです。
獣医師は看護師さんに「白血球測っといて」というだけですが、その影で看護師さんの並々ならぬ努力と苦労が隠されているのです。
血球計算機を買えば、看護師さんの負担がめちゃめちゃ軽減され、仕事の効率もぐんとよくなるので(ついでに言うと、血球計算機のほうがずっと安いので)、こちらのほうを先に買うのが順当かとも思ったのですが、うちのスーパー看護師さんに「どっちが欲しい?」と聞いてみたところ。
意外にも
「私は血球は数えられますが、超音波は出せませんから」
と、両手を前にかざし「アーーーー」とか言っているので(おそらく、超音波を出しているつもりなのでしょうが)、エコーを買うことに決まりました。
ちょっと、あんぽんたんな表現ですが、なんとけなげな看護師なのでしょう。
あまりの感動に、危うく「冬のボーナスは2倍だ!!」と言いそうになってしまうくらいでした。
・・・言わなくてよかった。
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