寝られるときに寝る、そんな健康で、寂しい生活がだんだん身についてきてしまいました。
大阪にいた頃は、テレビ局数も多く、深夜番組も結構おもしろいものが多かったので、夜更かしすることも多かったと思います。
特に吉本系のお笑い芸人さんの番組や、落語、B級映画などついつい夜更かししてしまうことも多かったです。
趣味と言うほどのものでもないですが、休みの日は本屋をぶらぶらし、将棋や水墨画などの趣味に時間を潰すという、ぱっとしない楽しみも持っていました。
それは富山に来た当初もしばらくは続いていましたが、最近だんだんそれができなくなってきました。
できなくなって、というより、しなくなってきたというのが正しいでしょうか。
開業して8ヶ月ちょっと、患者さんが少しずつ増えてくると、それにあわせて夜間救急の電話も増えてきました。
そうすると、たまに早く病院が終わって、9時くらいに帰ると、有り余った時間についつい浮かれ、見るでもなくテレビを見、小説を読み、獣医学書を読みとずるずる時間を費やし、いつも通り12時くらいに寝る。
で、夜中の2時くらいに急患さんの電話が入り、病院に駆けつけると帰宅が朝の5時で、なんてことがだんだん増えてくるわけです。
そして思うのです「あのときテレビなんか見ずに10時くらいに寝ておけば、せめて4時間は寝られたのに!」と。
初めは週に一件くらいだった夜間救急が、2件になり、3件になりと、結構な頻度になってくると、このままでは体を壊してしまう、と真剣に考えるようになってきます。
で、「寝られるときに、少しでも寝ておこう」と考え始めるわけです。
次第に趣味に費やす時間も減り、テレビを見るのも減り、起きて飯喰って、働いて、風呂入って、寝る。みたいな何の味も素っ気もない生活になってしまいました。
ハムスターだってもう少し趣味に人生を費やしているのではないでしょうか(あのくるくる回るのが趣味かどうかは知りませんが)。
もちろん、今の獣医師という仕事に不満があるわけではありません。
これも言ってみれば趣味のようなものかもしれませんし、自分の理想通りの病院を目指す上で、今のこの生活はしばらくはしかたがないなーとは思うのです。
看護士さんが来てくれるようになり、確実に体の負担が減ったと言うこともありますし、あと3年くらいはこの生活でもどうにかやっていけるとは思っています。
しかしおそらくこの生活が4年以上続くというのは、健康面でも、精神衛生上でもけして良いことではないでしょう。
ですから、早く獣医さんを増やし、育て、週に1日か2日は、携帯の音にびくびくしなくても過ごせる完全にフリーな日がつくれるようにしなければいけないのかもしれません。
見たい映画を見、昼寝以外の休日の過ごし方を取り戻し、たまに実家に帰り、何か別の趣味も探し、今まで通りのぱっとしない趣味も再開する。
早くそんな日が来てほしいものです。
でもそれまでは、「睡眠こそすべて」なのかもしれませんね。
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