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アレス動物医療センター

獣医師推奨って?

2024/10/3

 最近よく「獣医師推奨」とかいうフードだったり、サプリだったり、歯磨き粉だったりを眼にします。
 あれって、どこの獣医さんたちなんでしょうね。

 SNSでもテレビでもよく見かける【獣医師推奨】だったり【歯科医師推奨】だったり。
 皆さんその【獣医師】や【歯科医師】が誰か調べてみたことありますか?

 飼い主さんに「今どんなペレット食べてますか?」と聞くと「獣医師推奨のペレットあげてます」とか「獣医師推奨のドッグフードあげてます」とか返答されることがあります。
 で実際そのフードの袋を見てみると、獣医師推奨とは書いてあってもその獣医師が誰なのかが載ってないものがあります(それとも見落とすくらい目立たず書いてあるのでしょうか)。
 あるいは獣医さんのお名前がちゃんと書いてあることもあるのですが、別に大学の教授でもなければ、その分野で有名でも何でもない、何なら聞いたこともない獣医さんの名前が書いてあったりします。
 もちろんその分野で著名な先生がきちんと開発から携わっているフードもあるとは思うのですが、一応この業界に27年携わっている僕が「誰よ1?」とつっこみたくなるケース
が多い気がします。

 一般の飼い主さんはそのキャッチコピーを見て「これはかの有名な○○大学の教授だ!」とか「あのうさぎで有名な○○エキゾチックアニマルセンターの院長だ!」となるのでしょうか?
 あるいは「こんな獣医さん見たことも聞いたこともない!」とか「なんだよ、獣医師推奨とか言って、その獣医師の写真どころか、名前も病院名も書いてないじゃないか!」と気づくことができるのでしょうか。

 とかく日本のメーカーはこういう巧妙なキャッチコピーでものを売るのが上手な気がします。
 スーパーに行くと【国産黒豚餃子!】とかでかでかと書いてあって、なんかよさそうと手に取ると、ごくごく小さい文字で【黒豚】と【餃子】の間に「入り」という文字がひっそり書かれている。
 つまり【国産黒豚入り餃子】なわけで、黒豚が90%なのか、50%なのか、はたまた5%なのか。
 僕のように若干ものの見方がゆがんだ人間は「ハイハイ黒豚入りね」とニヤリとしながらレジに向かいますが、もしかしたらこの「入り」に気づかずに買っている人もいるかもしれません。

【獣医師推奨】という文字を見ると、「よく知らないけどきっとすごい先生が監修しているに違いない!」と思って購入する心の美しい純真な飼い主さんも世の中にはいるのかもしれません。
 獣医師推奨と書かれているフードを買うなというわけではないのですが、あまり【獣医師推奨】という言葉をうのみにしてはいけないというお話です。

 世の中には耳触りの良いキャッチコピーがたくさんあります。
 獣医師推奨だの、グレインフリーだの、グルテンフリーだの、着色料不使用だの、添加物不使用だの…
 別にそれが悪いとは言いませんが、世の中には動物たちの健康ではなく、どんな商品が売れるのかというマーケティングで商売をされている方々もいることを、頭の片隅に置いておかなければいけないのかもしれません。
「獣医師推奨とか書いといたら、バンバン売れるんだろぅ!?い〜い仕事だなぁ〜!!」とか言ってるゲスい人がどこかにいるのかもしれません。


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