うさぎ年の年初めと半年後
2023/1/12
明けましておめでとうございます。
皆さんとっくにご存じでしょうが、うさぎ年らしいですよ。
うさぎの獣医師だからって、うさぎ年を諸手を挙げて喜んでいるかというと、そうでもないですよ。
先日とある地方ニュースで「うさぎ年だから」という非常に安直な理由で【ペットとしてのうさぎ】という題材のニュースを取り上げていました。
ペットショップにいるかわいらしいうさぎを次々と映し、鳴かない、スペースをとらない、散歩がいらないとかなんとか、うさぎの飼うことの素晴らしさを広く紹介していました。
これ確か12年前にも見たんですよね。
他局かもしれませんが、放送の流れや趣旨はまったく一緒だったと思います。
「ああ、またやってる」と思いましたし、何なら昨年の時点で「どうせやるんだろう」とも思っていました。
【うさぎ年だからうさぎを飼う？】じゃあ丑年には牛を飼うのか？？とかなんとかちょっとやさぐれた感想を持ったりなんかします。
それはまあうさぎ年になって、うさぎを飼う人が増えれば、うさぎの獣医師としては仕事が増えるし、商売繁盛笹もってこい。
なんじゃないの？なんて思われるかもしれませんが、獣医師になって3回目のうさぎ年ですが、一度としてうさぎ年を喜んだことなんかないですよ。
だって12年前と同じ流れだとするなら、どうせ半年後くらいには
「うさぎ年だからと大量に販売されたうさぎが、世話ができずにたくさん捨てられています」
とかいうニュースをするんですよ。
【うさぎ年だからうさぎを飼う人が増えそう】的な感じのロケとって、スタジオに戻ったらアナウンサーの方が「まあ、かわいい！！」とか言っておいて、半年後には
【うさぎ年だからと安易にうさぎを飼って、世話ができずに捨てられている】的な映像流した後に「小さくても大切な命、最後まで責任もって飼育してほしいですね！」とか言うんでしょ？
さんざん煽っておいて、どの口が言うか！とか思っちゃうわけです（我ながらやさぐれている）。
そのセリフ半年後じゃなくて、最初のロケ見た後に言ってよ。と思わずにはいられないのです。
そらーうさぎはかわいいし、うさぎとの生活はほかには代えがたい喜びや幸せがありますよ。
ですが、それに負けないくらいの苦労があるのです。
鳴かない？スペースとらない？散歩がいらない？
それじゃあまるでうさぎを飼うのが簡単みたいに聞こえちゃうじゃないですか。
大変だっつーの
めちゃめちゃ大変だっつーの
何なら犬、猫飼うほうがよっぽど簡単だっつーの
言え
頑張れば14年も生きるって言え
飼い方間違うと5年で死ぬって言え
意外とコストかかるって言え
病気になったら何日も、何週間も、何なら何カ月も通院が必要だって言え
治療費めちゃめちゃかかるって言え
うさぎの診療がきちんとできる動物病院がめちゃめちゃ少ないって言え
そんな尺ねーていうなら、煽るような映像流すな！
変なブーム起こすな！
うさぎ年とうさぎ購入が脳内でつながってない一般人に変なスイッチを入れるな！
っは！！
いったい私は何を！？
ああ、いけませんね。
良家の子女も読んでるかもしれないコラムで、こんなやさぐれたことばかり書いてはいけません。
疲れですかね？年末年始疲れ
例年通り地獄の年末年始の診療を終えると、たまった疲れが思ってもいない悪態をつかせてしまうのですよ。
大型犬の子宮蓄膿症と、大型犬の胃切開と、大型犬のひも状異物と、帝王切開をこなすと、思ってもいない言葉がつらつらと流れ出てしまうのですよ。
いけないけない。
ウサギカワイイデスヨ
ウサギセイカツステキデスヨ
ウサギサイコー
そんなわけで、お正月ディスプレー用の木彫りのうさぎ買いました。
かっわいー
これでいいじゃん
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