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アレス動物医療センター

運も…

2022/9/8

【運は愛想と誠実さによって架けられた「信用」という名の橋を渡ってやってくる。】
 これは佐久間亘行さんが執筆された「ずるい仕事術」の一節です。
 この本は僕のお気に入りの一冊なのですが、特にお気に入りのフレーズなのです。

 佐久間さんの「ずるい仕事術」の中に、「運」を味方につけるというお話が出てきます。
 仕事上のラッキーは、実はただのラッキーではない。
「あいつなら」と思われていたり、思い出してもらえたり、ときには恩を感じてくれていたりするから、ラッキーが起こるのだ。
というのです。
【運は愛想と誠実さによって架けられた「信用」という名の橋を渡ってやってくる。】
 なるほど、確かにそうかもしれない。と強く胸を打たれました。 

 6年前に獣医師向けのうさぎ診療書「できる!!ウサギの診療」を出版させていただきました。
 自分でいうのもなんですが、想像をはるかに超える売れ行きで、昨年も増刷をかけていただきました(自分でいうのがとてもいやらしいですが)。

 当時エキゾチックアニマルの獣医学雑誌では長らく連載をしていたものの、特に何の実績もなかった(海外留学をしたわけでも、学会発表や論文発表を繰り返していたわけでもなかった)無名の僕が、獣医学書などを出版して買う人などいるのだろうかと思いましたが、それはそれは売れたのです(いやらしい)。
 ではこれが僕の実力かというと、実はそうではなくて、ずいぶんこの本を各方面で宣伝してくださった大御所の先生方がいらっしゃったのです。
 学会でご挨拶をした程度の面識の先生もいれば、おそらくまったくご挨拶すらしたことがない(雲の上の)先生もいらっしゃいました。
 その先生方が、なぜか折に触れ僕の本を宣伝してくださって、その地道な草の根活動で意外なほど売り上げを伸ばしたのです。

 袖振り合うのも多生の縁とはいえ、なぜそこまでしてくださるんだろうと不思議に思っていたのですが、ある時大御所の先生から
「あの本読めば、先生がどれだけ一生懸命書いてきたかがわかるよ。
 あれは後押ししなきゃと思ってね」
と声をかけていただきました。

 ああ、見ていてくれた人がいたのだ、と思いました。
 僕としては睡眠時間を削りに削って書きあげた原稿たちですが、そうはいっても僕よりも知識が深い先生には得るものがないでしょうし、うさぎに興味がまったくない先生には目にもとまらないでしょう。
 どれほどの先生が見てくれているのだろう、どれほどの先生が価値を感じてくださっているのだろうと、首をかしげながら書き続ける日々でした。
 ちゃんと見ていてくれた人がいた。
 そう思うと12年間の連載も、何往復したかもわからない校正原稿のやり取りも、すべて吹き飛んでしまいました。
 
 そしてその時思いました。
 またいつかもっと良い本を作ろう、と

 2020年からユーチューブを初めました。
 獣医さん向けだけではなく、一般の飼い主さん向けにも何か作ってみたくなったからです。
 ありがたいことにたくさんの方に見ていただき、飼い主さん向けの飼育本も出版させていただきました。
 これまたありがたいことに、ひくくらいに売れております(いやらしい)。
 もうすぐ目標の100本(今週末の動画が97本目なので)。
 ゴールも近づいております。

 無事ユーチューブ100本達成したら、少し一休みしようと思います。
 3年ぶりに春夏用のジャケットを仕立てようと3年間貯金してきました。
 採寸から1年以上かかるそうですが、それもまた楽しみです。
 コロナも収束しきらないですが、奥さんと一緒に鳥羽水族館のメイちゃんに会いに行こうと思っています。
 ユーチューブで見たのですが、ありえないくらいかわいいです。
 膝がもてば帰りに東山動植物園にもいきたいです。

 そして一息ついたら、うさぎの獣医学書をまた執筆したいです。
 実はユーチューブを始める前から少しずつ書きためていたものがあるのですが、これをきちんと形にしたいと思います。
 特にどこの出版社と約束した話でもないですし、出来上がったからと言って引き取ってくれるところがあるかわかりませんが(まあなければ、アマゾンで売ればよいし)、次の仕事の目標にしようと思います。

 さほど愛想はよくないと思うので、せめて誠実に書いてみようと思います。


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