以前のひとりごとで書かせていただきましたが、ありがたいことに母校から非常勤講師のお仕事をいただき、未来明るい獣医学部4年生にエラそうにも講義をしてまいりました。
このコラムはなんと6月末予定のひとりごとです(遅いにもほどがある)。
現在青森からの岐路でひとりごとを書いております。
何しろ片道5時間半、時間は腐るほどあります。
僕が依頼を受ける講義ですから、当然うさぎの講義です。
「ウサギの診療」と題して先週2時間、今週2時間の計4時間の講義をお受けしました。
依頼してくださった先生には一応2時間ごとの2日間と予定しておりますが、先生の都合が合わないようでしたら1日にまとめていただいても…というお話はいただいていましたが、正直4時間もの講義をぶっ通しでする自信が単純にありませんでした。
それに自分が学生だった頃を想像すると、うさぎの診療に興味があればまだしも、もし興味がないのに1日のうち4時間もうさぎの話を聞かされたら、さぞかし大学生は眠くなってしまうだろうと(最近の学生さんはそんなことないのかもしれませんが)、飽きないで聞いてもらおうという思いもあり2日間に分けてもらいました。
さて実際2日間講義をさせてもらっての感想ですが
楽しー!!
学生さんたちがどう思っているかは知りませんが、やっているこっちはとても楽しい
最近セミナーや会議もほとんどがzoomでしたし、それはそれで便利ではありましたが、やっぱり目の前に人がいてお話をするというのは良いですね。
youtubeの動画を作るときにはひたすらしゃべり倒していますし、パワーポイントを動かしながらしゃべるという意味ではやっていることは同じなのですが、リアクションがあるのとないのではやっぱり全然違います。
僕が話した内容を一生懸命メモを取ってくれているシーンを見ると、変なアドレナリンが出てくるのか全然疲れませんでした。
まあ学生さんたちからすると授業ですから、そりゃ一生懸命聞いてくれるのでしょうが、それでも気分がいいですね。
楽しー!!
あれなら4時間ぶっ通しでも大丈夫だったかもしれない(学生さんたちはどう思うか知らなけれど)。
慣れない仕事を受けるのはやはりちょっと心配だったり、不安だったりしますが、やっぱり新しいことにチャレンジするのは良いですね。
仕事なんですが、なんだかリフレッシュできたような気がします。
僕は将来うさぎの3大疾病「消化管うっ滞」「不正咬合」「子宮癌」のうち「不正咬合」と「子宮疾患」はなくすことができると思っています(ついでに言うと消化管うっ滞で死ぬ子も激減させられると思っています)。
不正咬合はすべての飼い主さんとすべてのうさぎの診療に携わる獣医師が、うさぎの主食が牧草であることを知り、正しい食生活を小さいころから徹底してくれれば激減すると思います(先天性とか事故の不正咬合はなくならないでしょうが)。
子宮癌はそもそも1歳までに避妊手術をすれば、きれいさっぱりなくなるわけで、価値観的に受け入れられない飼い主さんはともかく、ほとんどの飼い主さんが健康なうさぎの避妊手術を望み、ほとんどの獣医さんが当たり前のように避妊手術を対応してくれるようになれば、実現できると思うのです。
ほとんどの動物病院の先生が犬や猫の避妊手術をするように、うさぎの避妊手術をするようになれば良いだけなのです。
それを実現させるには飼い主さんへの啓もう活動も大切ですが、同じくらい獣医さんたちへの啓もう活動も大切です。
そうはいってもすでに10年20年開業されている獣医さんの意識を変えるのはなかなか難しいと思います。
だってうさぎの診療をしなくても普通に食っていけているわけですから、新たなリスクや仕事を背負い込む必要はないわけです。
でもまだ大学を卒業していない獣医学部の学生さんたちはまっさらです。
うさぎの診療が実はそんなに特殊な技術も医療器具も必要なく、犬や猫の診療技術と診療知識にちょっとプラスαすればけして難しいものではないと知ってもらえれば、より効率的にうさぎの診療に(犬猫と同等に)力を入れてくれる獣医さんが増えてくれるのかもしれません。
今回の講義のお仕事はそういう新しい希望を知ることができたという意味でもとても有意義でした。
もしまた来年もお仕事を振っていただけるようでしたら、ぜひ二つ返事でお受けしようと思っています。
ただ来年はお願いして1日に講義をまとめてもらおうと思います。
片道6時間の往復が2週連続であるのは思いのほか ちゅらい…
〒933-0813
富山県高岡市下伏間江371
TEL 0766-25-2586
FAX 0766-25-2584