人間は賢いようでなんだかんだと愚かなので、そのせいで人間が迷惑をこうむるのはしょうがないにしても、それで動物たちまで迷惑をかけるのはなんだかなぁと思うのです。
14歳の時ソ連(当時まだロシアじゃなかった)に2週間ほど滞在しました。
いわゆる親善使節団という奴で、イルクーツク州というバイカル湖のあるあたりに行き、ピオネールキャンプというものに参加したのです。
現地に着くと8〜14歳くらいの子供たちが、日本人と交流しようと笑顔で駆け寄ってくれました。
みなキラキラした瞳で、日本人が持ってきた簡単なお土産と、各々が用意したお土産を交換しようと、日本人1人に対して30〜40人大挙して押し寄せてくるのです。
僕が用意したのは(今どきの人は知らないかもしれませんが)永谷園のおまけについていた東海道五十三次カード。
相当数用意していましたがあっという間に完売。
それに対して子供たちが満面の笑みで持ってきてくれたのは戦車や戦闘機の小さなおもちゃがほとんどでした。
何の含みもなく、キラキラした笑顔で、大切そうに手渡ししてくれるおもちゃが戦争に関連したものだったことに、少なからずショックを覚えたのを覚えています。
別にそれが悪いとかいう話ではなく、そういう文化なのだなと、何なら日本人のほうが平和ボケしているのかと、受け入れました。
ソ連が崩壊してロシアになり、もしかしたらかなり変わったのかもしれませんが、あれから35年たち、あの子たちは皆40半ばから50代になっているはずです。
彼らはロシアを動かす世代になっているわけで、戦争に対して極端に忌避反応を示してしまう自分と異なり、戦争が身近なものとして育てられた彼らが今どんな風に思っているのだろうと思います。
ニュースを見ていると戦争反対を訴えるデモがロシアでも起きているようですから、皆が皆同じ考えというわけでももちろんないでしょうが、ロシアに対して少なからず好感をもって生きてきた人間としては複雑な気持ちになるのは否めません。
まあそれはともかくロシアもウクライナも小麦の一大生産地ですから、戦争が長引けば小麦の流通が滞り、小麦の流通が滞れば、代替穀物の流通も滞り、あるいは値段が跳ね上がる。
ロシアからの天然ガスや石油の流通が滞れば、船を含めた運搬コストも跳ね上がって、ますます海外からの穀物や商品が届かなくなる。
そもそもコロナの影響でOXBOWの牧草やペレットも日本に届かない。
関係ないけど医薬品メーカーの不正問題で、治療薬も手に入らないものが結構出てきている。
うさぎに限らず犬や猫でも質の良い海外のフードが手に入りにくくなってしまって、毎日飼い主さんに「薬が欠品しました」とか「フードが手に入りません」とか「薬がまた値上がりしました」と頭を下げる毎日。
頭を下げるもの仕事のうちだから、それはまあしょうがないにしても
『人間の都合で、動物に迷惑かけんなよな!』とは思ってしまいます。
コロナはしょうがないにしても、戦争や不正はどうなのよ、と思うわけです。
夏だったとはいえバイカル湖の水温は1〜2℃。
あほな顔して海パン一丁でバイカル湖に飛び込み、14歳にして1℃の水って痛いんだなと知りました。
世界一深い湖、世界一透明度の高い湖(今もそうかは知りませんが)。
真冬になると中心まで歩けるくらいガッチガチに水面は凍るけれど、その透明度からまるで空を飛んでいるような錯覚を覚えるくらい、深い部分まで目視できると聞きました(ロシアンジョークかもしれませんが)。
あんなきれいな湖を維持するロシアの人たちが、みな戦争を願っているとはどうしても考えられないのですが、とにかく早く終わってほしいものです。
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