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アレス動物医療センター

看護婦さんの大切さ

 6月の14日に開業をさせていただき、早いものでもう2週間も経とうとしています。
 開業前日まで看板などの施工をしていたくらい、バタバタした開業でしたので、いざ開業するとあれが足りない、これが足りないといろんなものが足りないことに気づきます。
 中でも取り分け、たりなくて困っているのが、看護婦さんです。

 開業といっても、2ヶ月間だけの雇われ院長なのですが、やるからにはと、はりきって準備をしてきました。
 ない知恵を絞って、準備万端、という気持ちではじめたのですが、いざ診療していると、あの薬もあった方がよいとか、この器具もやっぱり必要、とあれこれ足りないものが目立ち、結局診療しながら薬や器具を買い足して、未だに準備を続けているような形です。
 開業して一月、二月など患者さんもほとんど来られないのでは、と高をくくって、看護婦さんも受付さんもいない状態で、開業したのですが、ありがたいことに毎日たくさんの方が来てくださいまして、うれしい悲鳴を上げております。
 たださすがに、患者さんの来院数が一日15,6件を越えてくると、一人きりではちょっとつらくなってきて、看護婦さんや受付さんの重要性を改めて認識するわけです。

 私が以前勤めていた病院では、獣医師が7人と看護婦さんが6人という風に、たくさんのスタッフがいました。
 看護婦さんたちも働き者で、受付もすれば、血液検査、便検査、採血の保定、薬の処方など、獅子奮迅の働きを見せ、大いに獣医師の力となってくれました。
 
 それが今は病院で一人きりです。
 受付を自分でし、診察をし、一人で採血をし、患者さんとレントゲンを撮り、一人で現像、一人で検査、一人で処方、一人でレジうち、一人でおかたずけ、一人で・・・。
 冗談を言ってもつっこんでくれる人すらいません。
 レジのお金があわなくて、頭を抱えて電卓をたたいていても、誰も励ましてはくれません。
 入院患者の鳴き声が、むなしく病院内に響き渡るのみです。
 病院の診療時間は夜の8時までですが、終わった後消毒やカルテがきなどをしてると、気がつくといつも午前様になってしまい、晩ご飯も作るのが億劫でいつも外食。
 家に帰れば風呂に入って、バタンキュー。
 
 ああ、獣医師とは看護婦さんや、受付さんに支えられて初めて成り立っているのだな、と痛感せずにはいられないのです。
 パソコンの出来る受付さんでも、保定の出来る看護婦さんでも、料理のうまい嫁さんでもいいから、手に入れておくべきだった、と今更ながらに後悔するのです。
 
 ・・・嫁さんは関係ないですね。


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