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アレス動物医療センター

あと17年で引退!?

2021/5/13

 なんとなくですが65歳くらいでこの仕事を引退するものと考えていました。
 先日診療時の世間話で、なぜかこんな話になり、うさぎの飼い主さんに「信じられない!」という表情をされてしまいました。
 「私たちうさ飼いは、先生が引退したらどうしたらいいの!?」という驚きだったようです。

 先日48歳になりました。
 富山県に来てもうすぐ19年になりますので、とうとう実家に高校卒業まで過ごした18年より長くなってしまいました。
 そろそろ「富山県人です」と名乗ってもよいころ合いではないかと思っています。

 仕事は大好きですし、この仕事にもやりがいはめちゃめちゃ感じてはいますが、単に世間的にそれくらいで仕事ってやめるもんじゃないの?というくらいに思っていました。
 65歳から年金ももらえる(?)らしいですし。

 以前も税理士さんと今後の予定という体でお話ししていた時に、65歳くらいで引退しよっかなぁという風にお話ししていたら
「意外です!」
とずいぶん驚かれてしまいました。
「先生もっとずっと働きたいのかと思ってました!」と
 
 どうやら世間の方々からすると、僕はずいぶん仕事好きな人間と思われているようです。

 もちろん70歳とか75歳とかまでシャンとして診療されている先生(人間のお医者さんにせよ、動物病院にせよ)もたくさんいらっしゃいますし、自分が以前通っていた皮膚科の先生はおそらく80歳ははるかに超えてらっしゃったのではないかとも思います。

 ただまあ、個人的には結構密に頑張ってるので、65くらいまで全力疾走したら、すっと引退したいなぁとなんとなく思っていたのです。

 べたなお話ですが、僕の尊敬する人の筆頭は父親です。
 もちろん大阪の師匠も、大学の恩師も、他にもたくさん尊敬している人はいますが、一番最初に尊敬の念を抱いたのは父親です。

 父は仕事嫌いの人でした(注意:今も元気です)。
 仕事嫌いというか仕事よりもはるかに家庭に重きをおく人で、いつも休みの日は家にいましたし、いつも家族第一の人でした。
 東京の出張があっても、たとえ大切な会議に遅刻しようとも前日入りはしない人でしたし(多分ダメ)、どんなに遅くとも泊まらずに帰ってきていました(母ちゃんに迷惑)。
 自分のものは何も買わないくせに、子供や母ちゃんにはやたらと物を買いたがる。
 不思議なもので「買え買え」といわれると、こちらはこちらで「別に何もいらない」となるので、おもちゃ屋さんなどに行っても、駄々一つこねない冷めた子供をさみしそうに見ていました。
 上司の人と電話で話していても、全然敬語も使わないし、高卒でしたし、36.8℃になると「熱がある」と会社を休み、僕も小中学校はずいぶん休んだ気がします。
 それでも能力だけは高い人だったようで、結構な大企業なのに、今にして思うとその就業態度では理解できないほど出世してました。

 で、50半ばのあたりで、僕が大学卒業したのをきっかけにふらっと仕事を辞めてきて、母ちゃんに
「今日仕事辞めてきた」と告げて、ずいぶん怒られたそうです。
 母ちゃんに「これからようやく貯金できるようになるのに何で辞めてきたの!」
と問われると、おもむろにノートパソコンを開き
「今の貯金と年金で大丈夫」とエクセルで精密に計算された老後資産の表を見せ(かなり計画的)、
「なんで相談してくれなかったの!」と怒る母ちゃんに
「だって相談したら反対するだろ」と飄々と答えたそうです。

 それから25年、今ものんびり愛する家庭で幸せそうに過ごしています。
 最近はやりのFIREというやつです。
 今から25年も前の話ですから、最先端ですね。

 今ではさほど珍しくないのかもしれませんが、モーレツ社員が全盛の時代に、何であんな人がひょっこり生まれたのかわかりませんが、がつがつしてるわけでもないのに仕事ができて、それでいて家庭が大好きというその姿に、小さいころからずいぶん憧れてきました。
 
 で、じゃあ自分がその憧れの父に近づけているかというと、まあ遠い遠い
 仕事大好き、無遅刻無欠勤。
 週休1日、夜はいつも遅く、新婚旅行は北海道三泊四日。
 休みの日も手術で呼び出される日もあれば、旅行も日帰りか、せいぜい一泊程度
 家庭思いどころか、ずいぶん嫁さんにさみしい思いをさせているはずです(さみしくなかったりして)。
 
 どこでどう間違ったのか、あれほど憧れていた父親像とはかけ離れた48歳になってしまいました。
 
 でまあ、住宅ローンは65まで払わなきゃいけないし、65まで頑張って、スパッと辞めたいなぁとか思っていたのですが、なかなか難しいですね。
 自分はともかく、一番若い看護師さんは20代前半なわけで、その子たちの身の振り方も考えなければいけないですし、一番古参の獣医師にそれとなく
「何歳まで働きたい?」と聞いたら
「70歳まで」と言われてしまいました。

 理想論でいうと、どこかのうさぎ好きの若い獣医さんがふらっと就職してくれたら、徹底的に技術を仕込んで、その先生に院長職を押し付けて、65歳でリタイア。
 それが無理でもせめて、週3くらいで病院に出て、うさぎの診察して、さらっと帰る、なんて感じにできないもんですかね。

 65が無理でもせめて70歳くらいには辞めて、嫁さんと全国の動物園と水族館を練り歩いて、うまいもん食って、だらだらして…
 あ〜 いいなぁ
 理想ですね!
(嫁さんがそれを望んでいるかは知りませんが)

 うさぎ好き、臨床好き、仕事好き、動物病院開業したいけど、資金がないという獣医さん
 どこかにいたらぜひご一報を
 あなたの明るい未来のため(ではなく僕の豊かな老後のために)ぜひ当院で働きませんか!?
 ご応募お待ちしております。
 いやマジで

 

 

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