私の愛するエキゾチックペット研究会は来年から日本獣医エキゾチック動物学会へクラスチェンジします。
え?何が違うの!?と思われるかもしれませんが、多分いろいろ変わったり変わらなかったりするのです。
今月始め毎年恒例のエキゾチックペット研究会秋季大会が東京で開催されました。
例年は朝から夜まで勉強会で、そこから明け方まで先生方と飲み歩き、1時間ほどビジネスホテルで寝て、朝イチ富山に戻って即診療という、40代なかばにはなかなかハードな行事です。
しかし全国のエキゾチックペットを愛するマニアックでアウトローでオタクなエキゾチックペット研究会の先生方とお会いできるのが楽しみな、私にとってはとても大事な一大イベントです。
勉強会ももちろん大切ですが、その後の飲み会も、酔っ払いながら居酒屋で飛び交う各々の診療知識をゲットする貴重な場でもありました。
それが今年はエキゾチックペット研究会創立20周年記念ということで、なんと2日連続!
しかも2日ともうさぎの勉強満載というスペシャルセミナーです。
楽しい!超楽しい!!眠いけど楽しい!!!
もちろん得るものもたくさんありました。
今までやっていたやり方をいろいろ変えなければいけないと考えさせられる点もありました。
祝日、日曜とスタッフに病院を任せ、地獄の2日間を味あわせたただけのことはあります(スタッフがどう思っているかは知りませんし、あえて聞きませんが)。
学んだ情報に関してはまた後日書かせてもらうこととして、今回はびっくりする発表があったのです。
なんと!エキゾチックペット研究会は20周年を機に、日本獣医エキゾチック動物学会へと生まれ変わるのです!!
…まったく響きませんね?
わかります。
このひとりごとを読んでいる方々の脳裏をよぎった「それがどうした」という気持ちが手に取るようにわかります。
ちなみに今回のひとりごとも、まったくうさぎの役に立つことは書いてないので、ここまで読ませといてなんですが、ほぼほぼ内輪ネタですので興味のない方はこのへんで撤収してください。
どのようにお伝えするとわかりやすいですかね?
めちゃめちゃ実力はあるけど一部のコアなファンしかいないインディーズバンドが、弱小プロダクションからメジャーデビューをするイメージ?
いやちょっと違うか
コミケで馬鹿売れの伝説壁サークルが、とうとう徳間○店から商業誌デビューする!みたいな!?
おお、しっくり来る。
しっくり来るけど多分一般の人にはよりわかりにくい。
でもこれはなかなかすごいことだと思うのです。
20年前まだ動物病院には犬や猫ばかりが来院し、「うさぎは下痢したらヨーグルト与えとけばいいんじゃない?」と本気で多くの獣医師が考えていた頃に、十数名の発起人が集まって研究会を立ち上げ、コツコツ発表を繰り返し、勉強会を開催し、エキゾチックペット診療に興味を持つ獣医師を育て、指導し、今ではとうとう会員数も500名を超えた大きな団体に成長したのです。
「アイツラ、金儲けにもならないうさぎとかハムスターに何時間かけて勉強してんだよぅ!」と陰口を叩かれていたかどうかは知りませんが、少なくともけして主流ではないこの分野に情熱を注ぎ、貴重な自分の時間を割き、努力し続けた人たちがいての「日本獣医エキゾチック動物学会」への発展なのです。
誇らしいですね。
私は何もしてませんが、同業者としてとても誇らしいです。
かっこいいじゃないですか。
たしかに変な先生が多いです。
アウトローです。
外角低めです。
けして主流派ではないマイナー臭がプンプンします。
飲み会で鳥獣医の大御所が隣の席について最初に聞かれた質問が「先生にとっての一番の漫画って何?」でした(ちなみに私の返答は「樹○つみのOZ」。大御所の返答は「藤○和日郎のうし○ととら」でした)。
でもすごい情熱と技術を持っているのです。
その情熱がとうとう実を結んだのだと思うのです。
「研究会」が「学会」に変わることでもしかしたらデメリットもあるのかもしれません。
会自体に大きな責任も生まれることでしょう。
今まで自由にできたことが不自由になることもあるかもしれません。
運営する先生方にはさらに大きな負担があるのかもしれません。
各々の動物病院を切り盛りしつつ、エキゾチックペット以外の勉強もしつつ、従業員の給与計算をしつつ、家族サービスもしたりしなかったりしつつ、「学会」を運営するのはお金ではありません(多分出ていく一方でしょう)。
エキゾチックペットをより一般化しよう。
エキゾチックペットの診療ができる獣医師を増やそう。
エキゾチックペットの助かる子を増やそう。
その思いでの「学会」への変革です。
その思いでの壁サーからの商業誌デビューです。
私は下戸なのでお酒は飲めませんが、エキゾチックペット研究会の、いやいや獣医エキゾチック動物学会の先生方とは朝までグダグダやっていても、楽しくてしょうがないのです(体はボロボロになりますが)。
日本のエキゾチックペット診療を支える愛すべきアウトロー集団なのです。
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