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アレス動物医療センター

猛獣の中の子猫

2018/9/7

 明らかに身に余る大役を受けてしまいました。
 どう考えても場違いだなぁという場に立たされ、自分の小ささというか、未熟さを改めて認識することになりました。

 初めにお断りしておきますと、今回はうさぎの話でもなく、役に立つお話でもない、本当にひとりごとですので、もしうさぎのことを知りたくてこのページを開いた方は、すぐさま別のページへお飛びください。
 まったく得るものがないコラムです。

 今年獣医師会より「中部地区獣医師会連合会幹事」というお役目を拝命しました。
 ナンノコッチャと思われるかもしれませんが、中国語でも早口言葉でもありません。

 年に一度「三学会」という学会があります。
 これは小動物臨床(犬や猫などの獣医さん)、大動物臨床(牛や馬などの獣医さん)、公衆衛生(狂犬病や食中毒など人の安全にも関わる分野の獣医さん)のそれぞれの分野で活躍されている先生方が各々の研究発表をする学会で、3つの学会を同時に行う一大イベントなので「三学会」と呼ばれています(多分)。
 この学会は北海道、東北、関東、中部・・・とそれぞれの地区で年に1回催され、中部地区では去年は富山県で学会を、今年は愛知県で学会を、来年は長野県で学会をと毎年県を変えて行われます。
 で、この学会発表を審査するお役目が先の「…幹事」という早口言葉のような役職で、どのような経緯で回ってきてしまったのか、なぜか私のところに来てしまったのです。

 非常に光栄なことですが、どう考えても自分の力量とあっていない。
 芸人さんで言うところの中堅か、下手すると若手に分類される私がお受けするにはあまりに大役です。
 謹んで辞退させていただきたかったのですが、日頃横着をして獣医師会でなんの役にも立っていない手前、断りきれずに結局お受けするはめになってしまいました。

 それでもまあ、いざとなればどうにかなるかと、のんきな顔して今年の三学会に出席したのですが、考えが甘すぎでした。
 アメリカのチョコレートより甘々です。

 各県からやってきている幹事の先生方の面子がまあすごい。
 まさに各県の顔とも言える代表選手のようなトップアスリート集団。
 あの先生の論文見たことある、あの先生の原稿見たことあるという、有名人の集団。

 一つの檻にトラとライオンとジャガーと黒豹とチーターがいる仲、ちょこんと子猫が紛れ込んでしまった感じです。
 M-1グランプリの審査員の中に一人レイザーラモン○Gがいるようなものです(とても失礼)。
 F4のなかに一人牧○つくしがいるようなものです(それなら主役じゃん)。

 でもそれくらいの違和感があったのです。

 いざ審査をしようと思っても、評価をするのがとにかく難しい。
 発表内容は犬猫の病気から、うさぎの病気、眼科、皮膚科、整形外科、腫瘍科、はては野犬の寄生虫にまで及び、日頃全く馴染みのない分野まで多岐にわたります。
 犬猫の診療やうさぎの診療くらいまでならともかく、まったく自分にとってストライクゾーンでない分野の発表でも、採点しなければいけないわけです。

 その発表内容が果たして目新しいものなのかどうかを評価するためには、常に最新の情報を取得していなければいけないわけで、あるいは「この分野僕苦手なんですよねー」とかも言ってられない。

 皆さん何ヶ月、何年掛けて作り上げてきた発表を適当に評価するわけにもいかず、これはえらい仕事を引き受けてしまったと、ぼちぼちな後悔をしてしまいました。

 ただまあ受けてしまったものはしょうがないので、あとはひたすら他の幹事の先生方のレベルに近づけるよう努力するしかないのです(理論上は)。
 来年の三学会は長野県だそうで、それまでにもっと広い分野をもっと深く勉強し、自信を持って審査できるようなレベルへ・・・は1年ではならないですかね。
 ならないですね。
 任期中に間に合うのかなあ。
 精神と時の部屋ってどこにあるんだろう…

 「神は乗り越えられない試練を与えない」とマザー・テレサだか、南方○生だかも言ってましたので、多分大丈夫なんでしょう。

 そんなわけで、他の学会も含め、土日あたりに病院にいない日もちょくちょく出てくると思いますので、来院される前に病院の獣医師出勤スケジュールをご確認いただければと思います。

 遊んでいるわけではないのです。
 ほんとです。
 ・・・ほんとですよ?
 

 

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