うさぎにとっての地獄のシーズン梅雨,夏がやってきました。
1週間前くらいからでしょうか,食欲不振や軟便,下痢,便の形がおかしい,小さいなどの体調不良を訴えるうさぎさんが退去して押し寄せてきます。
うちの病院では,これを「うさぎの湿度負け」と勝手に呼んでいます。
学術用語ではないので,他の動物病院さんに行って「うちの子湿度負けかも!?」とか言って,そちらの獣医さんを困らせないように気をつけてください。
きっと伝わりません。
うさぎはとにかく暑さに弱いので,7月から9月末くらいはやたらと食欲不振の子がやってきますが,意外と危ないのが6月9月のそこまで暑くないけど,湿度が高いシーズンです。
湿度が低ければ24度位でもうさぎは耐えると思うのですが,逆に湿度が高く60%あたりになってくると,大して暑くもない(飼い主さん的には夜はまだちょっと肌寒い)時期でも結構調子を崩すのです。
特に高齢になればなるほど,体調を崩す子が多く,3,4歳あたりのうさぎさんで梅雨,夏に調子を崩してやってくると飼い主さんは決まって
「去年の夏は大丈夫だったのに…」とこぼされます。
まあ,人間もだいたい梅雨時期などに熱中症で搬送される方は,高齢者の方が多いわけで,あの可愛い顔を見てるとなかなか想像しにくいですが,4歳のうさぎといえば,人間でいうと40歳位なわけで(ミニレッキスは年相応の顔に見える子が多いですが),なんだいタメじゃん!というお年頃なのです。
例年だと6月頭くらいからやってくることが多いのですが,今年は1週間ほど早いイメージです。
今の時期は温度よりも湿度が問題なので(とか言っても今日なんか,単純に暑いですけど),湿度の高い空気を扇風機で撹拌していてもあまり意味はなく,やはりエアコンで温度,湿度管理が必要なんだと思います。
6月から9月末までフルエアコンって,どんだけセレブな生き物やねん!と思いますが,高温多湿の日本に連れてこられているのですから,ある程度気遣いは必要です。
世の中エコだ地球温暖化だと言ってるのに,困ったもんですね。
そう思うとうさぎは牧草代は山ほどかかるわ(きちんと牧草中心で飼うと,おそらく食費は中型犬以上になってしまう),エアコンが必要だわ,なんてセレブな生き物なんでしょう。
でもたしかになんとなくその面持ちに高貴な雰囲気が漂っていたり,漂っていなかったり?
湿度負けに限らず,今は換毛期の真っ盛りですので,毛球症などで体調を崩すうさぎさんも,さぞかし多いことでしょう。
ただ大切なのは,食欲の異常や便の異常に気づいたときに,様子を見ない,放置しない,すぐに動物病院に連れて行く(あるいは動物病院に支持を仰ぐ)ということです。
半日の体調不良は半日から1日の治療で治ることが多いですし,1日の食欲不振は1〜2日の治療で治ることも多いです。
ですが2日以上続いた体調不良は長期戦になることがほとんどです。
私が思う「食欲不振」は「全く食べなくなった」でも「半分しか食べなくなった」でもなく,「いつも1食8g食べるのに,今日は1g残した」だったり,「いつもは5分とかからず食べきるのに,今日は感触するのに1時間かかった」です。
うさぎで「全く食べなくなった」はもう死亡フラグが立っていると思ったほうが良いですので,そこまでのんびり眺めていてはいけません。
「全く食べなくなった」=「俺この戦争が終わったら,ミネソタで待ってるフィアンセと結婚するんだ…」と同等の意味なのです。
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