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アレス動物医療センター

寒暖差にご用心

2018/3/7

 随分激しい大雪を久しぶりに経験し、雪かきで全身筋肉痛の日々を過ごした2月も過ぎ、少しずつ春の陽気になってまいりました。
 そうすると、暖かな気候に合わせて世のうさぎさんたちも皆元気バリバリ、ウキウキ気分か、と言うとそうでもないのです。

 うさぎにとって最も過酷なシーズンは梅雨と夏。
 とにかく暑さに弱い生き物ですから、夏の暑さは地獄の暑さ、体調不良のうさぎがわんさか動物病院にやってきます。
 夏だけ気をつければよいかというと、梅雨も意外と危ないシーズンで、飼い主さん的にはまださほど暑くないと思っても、湿度が上がってくると、もうそれだけで高齢のウサギさんたちは食欲がガタンと落ちたり、軟便や不揃いな便が出始めたりします。

 それに対して冬は意外と快適なシーズンで、結構な寒さでも案外耐えてくれるうさぎさんが多く、隙間風などの風の流れさえ気をつけていれば、早々調子を崩してやってくるうさぎさんはいません(逆に暖房をきかせすぎたりすると、体調を崩してやってくる子はいますが)。

 では春、秋はどうか?というと夏ほどではないのですが、意外と体調不良を訴えてやってくるうさぎさんが多いのです。

 夏ほど暑くないのになぜ!?
 というと、おそらく寒暖差の激しいときに体調を崩すのだと思います。

 前日まで結構寒かったと思ったら急激に暖かくなったり、あるいは逆に急激に寒くなったり。
 あるいは昼はえらく暖かかったのに、夜になるとストンと気温が下がって、急激に寒くなったり、そのような急激な気温変化に高齢のうさぎさんたちはついていけなかったりするのです。

 人間でもそうですよね。
 こういう季節の変わり目だったり、気温の変わり目だったりに体調を崩す人、結構多いと思います。
 現に私も先週水曜に悪寒で手が震えるほど発熱し(体温を測ってないので、何度だったのかよくわかりませんが)、今はようやくなんでも食べれるようになってきましたが、私に風邪をうつされた嫁さんが今まだうどんくらいしか食べられない状態です(かわいそう)。

 医者の不養生と言ってしまえばそれまでですが、日頃気をつけている私でもがくんと体調を崩してしまうくらいですから、うさぎさんたちもやはり体調不良になるのです。

 単なる季節の変わり目だから、明日にはきっと食欲が戻るだろう、とたかをくくってはいけません。
 原因がたとえ気温の寒暖差であったとしても、一旦食欲が落ち、胃腸の動きが悪くなってしまったうさぎさんを治療せずに放置しておくと、とても危険です。
 食欲不振のせいで動きの悪くなった胃腸では、食べかすや糞が胃腸内で発行してガスが溜まり始めます。
 ガスが溜まり始めると、今度はこの痛みでますます食欲が落ち、食欲が落ちるとさらに胃腸の動きが悪くなり、そうなるとガスが更に溜まって・・・と勝手に悪循環に突入してしまうのです。

 また、たしかにシーズン的に寒暖差のせいで食欲不振のうさぎさんが増えるシーズンとはいえ、だからといって他の病気を発症していないという保証もありません。

 単なる気候の変動のせいであれば、すぐに治療すれば、すぐに回復できることが多いです。
 すぐに治療をしても改善しない場合は、大きな病気を早期発見早期治療できるチャンスでもあります。

 たかか寒暖差、されど寒暖差。
 特に高齢なうさぎさんは今まで自力で治せていた体調不良も、すんなり治らなくなっていたりします。
 原因が何にせようさぎにとって食欲不振は命にかかわる一大事ですので、けして様子を見ないよう。
 何かあったら、すぐに主治医の先生のもとにゴーです。
 

 

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