本文へスキップ

あなたがウサギに出来ることは 獣医師による うさぎ専門情報サイトです。

MAIL alles@usagi.cn

アレス動物医療センター

アウトローな獣医師たちの宴

2017/11/6

 毎年恒例になってきた、11月のエキゾチックペット研究会の学会参加。
 忙しい日曜日にスタッフを拝み倒して休みをもらい、11/5朝から夕方までフルセミナー。
 今回のテーマはエキゾチックペットの画像診断ーX線、超音波からCT,MRIまでー
 
 うーんニッチ!
 ニッチ オブ ニッチ!!
 犬猫以外のウサギやげっ歯類、爬虫類などのしかもCT,MRIって、どこまでコアなの!?
 と思ったけれども、やっぱり面白い。
 広い会場は全国津々浦々から集まったエキゾチックペットに情熱を持つ王道を外れてしまった獣医師たちでいっぱい。
 地方ではウサギを含めたエキゾチックペットの診療を主としている先生をなかなか見かけないのに、一体皆さん日頃どこに隠れているのでしょう。

 勉強会の話ももちろん面白いですが、会場には日ごろなかなか目にしないエキゾチックペットの書物や、エキゾチックペット用のマニアックな手術器具がいっぱい。

 私「おお!これ良さそう」
 メーカーさん「それすごく丈夫で良いんですよ」
 横で見ていた大御所先生「でも本当は先端の丸いやつのほうが使い勝手がいいんだよねー」
 メーカーさん「でも、これも結構いいんですよ」
 大御所「でもやっぱりあっちのほうがいいなぁ。なんで今日持ってきてないの」
 メーカーさん「・・・」

 大御所「先生創外固定のピン曲げる器具知ってる?」
 私「なんですかそれ?」
 大御所「いやあれ便利なんだよ」
 メーカーさん「これすごく好評なんですよ」いそいそと器具を出してくる
 大御所「そうそうここの部分で折り曲げて、この部分でピンを打ち込むの、でもちょっと高いんだよなぁ」
 私「それすごくいいですね!」
 大御所「でもちょっと高すぎるんだよねー」
 私「いくらですか?」
 メーカーさん「…5本で」
 私「500円?5000円かな!?」
 メーカーさん「・・・5万円で」
 私、メーカーさん「・・・」

 なんて感じの蚤の市のような楽しさもあり。

 そして何より最後は夜を徹しての懇親会。
 全国でも名うてのエキゾチックペット診療のスペシャリストたちが、朝まで居酒屋で喧々囂々、シモネタや家族の愚痴、アニメ、漫画のオタクなネタを交えてひたすら喋る続けるのです。
 これがとにかく楽しい。

 それぞれが持っている新しい情報を交換し合ったり、こういう病気の時って、最近はどうしてる?という論争だったり、いやその治療ってエビデンスはあるの?意味あるの?Fate/st○y nightってどうなのさ?泣けた?泣けない?いや俺小○さんが言うから信じて見たのに!わかってないなぁお前は!!ところでウサギの斜頚って鼓室胞切開すべき?しないほうがいいの?前庭疾患でステロイド使ってる?NSAIDSのキレってどうよ?そういやお前の開業した場所ってあれってどうなの、どうでもいいけど犬猫エキゾの病院ってネーミングどうなの?結局全部じゃないの?そういや沖田ってどこで嫁さん見つけたの?なんで結婚できたの?結局不正咬合の診断基準ってさぁ・・・

 と、みんな酔っ払っているので話は前後左右、もうぐちゃぐちゃ。
 でもやっぱりみんなこの仕事が好きで、この分野が好きて、遠く離れていても妙な連帯感だったり、仲間意識だったりがあってと、みんなうさぎに対する情熱も、エキゾチックペット診療に対する情熱も、向学心も熱い熱い。
 めちゃめちゃ刺激されるのです。
 ウオ〜こんなにエキゾチックペット診療に情熱を傾けてる人たちがたくさんいるぞ!
 俺も負けていられないぞ!!何かしよう!何かわかんないけど、とにかく何か始めよう!!
 そんな気持ちになるのです。
 1年分のやる気を注入してもらいに行くのです。

 懇親会は1次会、2次会、3次会、4次会・・・結局寝たのが朝4時で、起きたのが朝5時。
 新幹線に飛び乗って10時から診療開始!

 眠い!
 大声で喋りすぎて喉痛い!
 声枯れてる!!
 ウーロン茶の飲み過ぎでお腹痛い。

 でもきっと、来年も行くのです。
 獣医師という職業が大好きで、動物が大好きで、エキゾチックペット診療が大好きで、アニメと漫画と三国志が大好きで
 そんな愛すべきアウトローな獣医師たちと朝まで騒ぐために来年も行くのです。

 

アレス動物医療センター

〒933-0813
富山県高岡市下伏間江371

TEL 0766-25-2586
FAX 0766-25-2584