時々メールでの質問であるのが、うさぎさんが亡くなったあと、ペット葬儀社で火葬にしたら黒く残る部分があって、葬儀屋さんが「そこが癌か何かだったんでしょうね。」と言われた。主治医の先生には癌なんて一言も言われなかったのに、誤診だったんじゃないか?
というような内容です。
このあと続く文章がだいたい、一生懸命飼ってきたつもりなのに、癌を見つけてあげられなくて、本当に可愛そうなことをしてしまった。
自分は飼い主失格だ・・・
というような感じの内容がほとんどです。
え?癌て燃やすと黒くなるの?
なんで?
大きいから燃え残るっとこと?
でもたかだか1kg、2kgのうさぎの癌って、せいぜい大きくても3〜5cmくらいじゃないの?
もっと大きい肝臓や脾臓は燃えるのに癌だけ黒く燃え残るの?
それとも血液を多く含むから黒くなるってこと?
でもそれならもともと血を多く含む心臓とか腎臓も黒くなるんじゃないの?
え?めちゃめちゃ火葬って弱火なの?
低温調理なの?
癌が燃やすと黒くなるってエビデンスあるの?
学会で発表されたの?
そんなバカなと思いますし、そんなひどいことを言う葬儀屋さんがいるとも思えませんが、この手のメールが時々ですが、全国いろんな地域からやってくるってことは、これってペット葬儀屋さんの常套句だったり、マニュアルだったり、あるいはリップサービスだったりするんでしょうか。
大型犬の脾臓癌か何かで5kgくらいまで大きくなってるものなんかは、ひょっとしてそういうこともあるのかなと思わないでもないのですが(癌が燃えにくいという理屈が私にはよくわかりませんが)、もし本当にそうだったとして、それ言われて飼い主さんが喜ぶとでも思っているのでしょうか。
もし自分の父親の葬儀に(生きてます。元気です)、火葬場で職員の方が、「あの黒い部分がきっと病気だったんでしょうね。癌ですかね」なんて言おうもんなら、取っ組み合いの喧嘩になりそうですが(そんなこと言う火葬場の職員の人はいないと思いますが)、ペット葬儀社さんは言うんですかね?
リップサービスなのか、「俺知ってんだぜ」的な自己PRなのかわかりませんが、あまりの無神経さにちょっとびっくりします。
その言葉がどれほど飼い主さんの心に傷を残すのか、想像できないんでしょうか。
それとも何かそれを言わなければいけない決まりでもあるんでしょうか。
この手の質問メールで返す言葉はいつも「おそらくなんの学術的な根拠もない話だと思いますし、けして飼い方や看病が間違っていたわけではないと思いますよ」となるのですが、多分それを言われた飼い主さんは、一生どこかにしこりというか、引っ掛かりが残ってしまうわけで、ただでさえ家族を失ってショックを受けてる人に、何もそんな傷に塩をすり込むようなことを言わなくても、という気がします。
今の御時世、もしその飼い主さんが主治医の先生を相手取って「ペット葬儀屋さんに癌だと言われた!誤診だったんじゃないのか!?」とか言って、訴訟でも起こしちゃったら、その葬儀屋さんは責任取れるんですかね。
裁判所で「癌は火葬すると黒くなるんで」とか証言するんですかね。
でもこれを言うペット葬儀屋さんが多いってことは、そんな学術論文でもあるのかなぁ。
「癌は燃やすと黒くなる」って、私が知らないだけなのかも。
だってそうでもなければ、そんなひどいことを自信たっぷりに飼い主さんに言うはずがないですもんね。
44にもなって、まだまだ知らないことがいっぱいあります。
私は火葬じゃなくて、土葬にしてもらおうかなぁ。
だって火葬にして何か黒い部分が燃え残ったときに、葬儀場の人が「あれが病変部ですね」なんて言ったら、うちの奥さんきっとあまりのショックに泣き崩れてしまうでしょうから。
・・・意外と平気だったりして。
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