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アレス動物医療センター

自費出版ぢゃないよ

2016/2/29

 2004年位からエキゾチック専門雑誌でウサギの連載を始めさせていただいて、昨年ようやく連載が終了しました。

 これで締め切りに追われる日々から開放されるぜ、とかなんとか言いながら、なんだかんだとそのあと2本ほど原稿を書いて、とりあえずは締め切りのある仕事はこれで一段落。
 これで診療だけに専念できるか、というと実はそうでもなく、ありがたいことにその連載を書籍化してくれるとのお話をいただきました。

 自分で言うのも何ですが、あんなマニアックな連載、書籍化して需要があるんかいな?という気がするのですが、自費出版ではないとのことなので、まあ売れなきゃ売れないで、雑誌社が泥をかぶってくれるだろうと、気楽に請け負ってしまいました。

 で、今その書籍のレイアウトだったり、文章の校正だったり、新たに追加する書下ろしや付録原稿の打ち合わせと、色々やっているのですが。
 まあ、これが意外と大変です。
 
 なにぶん連載開始から相当年数が立っているので、当時書いていた治療方法や手術方法が結構変わっている。
 日進月歩の分野なので、3年経てば、治療法も型遅れ。
 修正をし始めたら、もうあれもこれも書き直したくなってしまうのです。

 形として一生に残るものでしょうから、もっと良い検査や治療法、手術法があるんだったら、描き直さないと気が済まないし、かと言ってこんなペースで書き直してたら、ほぼ書きおろしになってしまうんじゃ・・・とかグズグズ考えながら、結局書きなおしてます。
 富樫○博先生の漫画だって、ジャ○プ連載時と単行本じゃ全然違うしね!とか、誰に云うでもなく言い訳しながら書きなおしています。
 ええ、書きなおしてます。

 さらによせばよいのに書きおろしの原稿で書きたいことが、どんどん増えていく。

 ウサギの検査、診療に便利な器具や薬の一覧表があるといいんじゃないか?とか
 ウサギの症状別の鑑別診断リストがあるといいんじゃないか?とか
 うさぎの今考えうる一番の飼育環境、食事内容、飼い方のページはいるんじゃないか?とか
 それも何だけど、飼い主さんからよく質問されるQ&A集も会ったほうがいいんじゃないか?とか
 ・・・
 きりないよ
 言い出すときりない。
 誰か止めてやれ。

 まあ、でもやっぱりせっかく本にしてくれるという奇特な出版社さんに、あまりに多額の赤字を背負わせるのも心苦しいので、できるだけのあがきしておこっかなー、とか思うわけです。

 とかなんとか言いながらも、実は結構楽しんでいるのです。
 やっぱり本になるというのは、ちょっとテンション上がりますよね。
 最近の自宅での自由時間=「奥さんが風呂に入っている時間」は、折り紙でもなく、読書でもなく、ただひたすらにこの作業を黙々とやっているわけで、それがあっという間に時間が立っているということは、楽しいんでしょうね。
 
 子供の頃(というほどもう子供でもなかった気もしますが)、プラモデル作る時なんかに、ただ組み立てるだけでは満足できず、やすりをかけて、パテで溝埋めて、紙やすりあてて、ピッカピカにして、サーフェイサーかけて、スプレーかけて、筆入れて、デカール貼って、墨入して…って、誰に見せるわけでもないのに、ただ黙々と自己満足で作り上げていくあれです。
 あの感覚です!
 え?共感できない!?(例えが悪いのか?)

 まあ、せっかくですから良い物にしたいじゃないですか。
 何か勘違いして、買っちゃった人に、「おお、これは意外と使える!」って言われたいじゃないですか。
 ささやかな印税で生活に必要なさそうなもの買いたいじゃないですか。

 そんなわけで、明瞭な締め切りのない校正作業が意外とまじめに進められているのです。
 こんなことじゃ、作りかけのカンガルー親子の折り紙、いつ完成するんだろう?とか思いながら進められているです。

 8月だか9月だかに出版される予定です。
 まあ予定は未定、ほんとに出版されるのかも怪しいですが、出版社が倒産するか、私が倒れるかしないかぎりは多分出版されると思いますので、乞うご期待。

 ちなみに獣医さん向け書籍なので、一般のかたの目につく機会は多分ありません。
 エグい写真が多い上に、ボケもオチもないカチコチの獣医さん向け文章ですので、そもそも一般のかたが読んでも面白くもなんともないです。
 ボケもオチもない真面目な文章だって、書こうと思えばじつは書けるんだぜ!というひとりごとでした。


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