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アレス動物医療センター

世間とのズレ

2015/12/31

 今年もとうとう今日でおしまいです。
 朝TVをつけると、きょうのわんこも今日の天気予報も見ることができず、どこに回しても、年末特番。
 ああ、世の中は年末年始なのね、とか思うのです。

 ちなみに今日も17時まで診療、言うまでもなく明日も17時まで診療です。
 なぜならうちは年中無休。

 関係ないですが、時々広告で年中無休って書いてあって、横に小さく「正月は4日より営業しております」って、それ年中無休なの!?とか、ちょっとひがんだりなんかします。
 ・・・気にしないでください。
 ただのひがみ、やっかみです。

 まあそれはともかく、大学を卒業して務めた動物病院も年末、年始17時までやっている病院でしたし、自身で開業してからもずっと年末年始、盆、GWと普通に診療しているものですから、これが当たり前と思っていましたが(約20年間)、どうもそれが最近当たり前ではないということに気づきました。

 というのも、昨年ようやく結婚して、何十年もの間まったくしていなかった、年始のご挨拶なるものを奥さんの実家などですることになりました。
 親戚の方々には事前にうちの職場が年中無休であることは伝えてはあるはずなのですが、1/1なりに仕事帰りにご挨拶に伺うと
 「え?今日も仕事だったの!?」
 と目を丸くされます。

 どこにご挨拶に言っても、みなさん同じリアクションなので、ああ、動物を飼ってない方からすると、そんな感じなのかもなーとか思っていたのですが、どうもそうではないようなのです。
 というのは、知り合いの先生が数日前から次々と本年業務終了のコメントをフェイスブックであげ始めたのです。

 3年前ほどからフェイスブックというものをはじめました。
 パソコンは比較的使う方だと思うのですが、人付き合いが苦手で、チョー人見知りに私にとって、実名であのような場でコメントを書いたりというのはなかなかハードルが高く、ずっと他人事のように横目で眺めていました。
 ところが仕事の兼ね合いでやらざるを得ないシチュエーションとなり、ひっそりとスタートしたのです。

 まあ、個人の方は大したアップはしておらず、奥さんと出かけた場所や食事、無駄に買い集めている漫画と誰の得にもならないものばかりです。
 それでも20年以上音信不通だった中学、高校の同級生と接触が持てたり、全国のいろんな腕利きの獣医さんたちと情報交換が気軽にできるようになったりと、やってみると意外と楽しいものです。

 ずっと雲の上の存在と思っていた著名な獣医さんの、ありふれた日常を見、それにコメントしたり、返していただいたりしていると、なんだか友だちになったような錯覚を覚えます。
 錯覚に身を任せて、その先生の得意分野に関して質問させてもらったりすると、これはこれで意外と良いのかも、とか最近は思います。

 ネット上の見ず知らずの人が書いているここのラーメン美味しい!ってコメントよりも、
「ああ、あの先生が美味しいっていうんだったら、きっと美味しいんだろうな」と実名でコメントされた情報のほうが、やっぱり興味をそそられますしね。

 で、何となく毎日のようにフェイスブックを眺めていると、数日前から次々と他の先生方が、正月休みに入っていくのです。
 家族みんなで旅行だったり、親戚周りだったりと人それぞれなのですが、皆さんきちんと家族サービスをされているのです(えらいなぁ)。

 流石に同業者が次々と休みに入っていくと、「あれ?うちっておかしいのかな?」とちょっと不安になったりします。

 まあ、ここ数年、近所に若手の先生方が次々と開業されているので(私もとうとう若手とかいうようになっちゃったよ)、そろそろうちの救急診療もお役御免なのかなーとか思うのですが、20年近く続けてきたことのなので、年末年始働いてない自分がちょっと想像できないですね。

 だいたい年末年始3日ほど休みにした場合、入院患者の世話って、ひょっとして私が一人で全部やらなきゃいけないんんですかね。
 それを考えると、いっそみんなで働いてたほうが・・・(スタッフいい迷惑)

 まあ、家庭をもったことなので、ぼちぼち考えなきゃいけないことなのかもしれません。

「今日も仕事だったの!?」というくだりの後に、大体続くのが
「正月にお客さんって来るの?」という質問。

「ああ、たしかに少ないですね。せいぜい1日30件とか40件とか」と返すと
「そんなに来るの!?」とさらに眼を丸くされます。

 件数は少ないんですが、やはり救急患者さんが多いんですよね。
 事故だったり、中毒だったり、発作だったり、3日前から尿が出てないだったり(3日前に来い)。

 そうかと思うと、普通にフード買いに来られたり、普通にワクチンうちに来られたり。
 さすがに私も「何も1月1日にワクチン打ちに来なくたって」と思うときはありますが、うちの患者さんたちにとっては1月1日に開いているのが当たり前になってるのかもしれません。

 さあ、そんなことを書いているうちに、そろそろ診療開始です。
 皆さん良いお年を


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