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アレス動物医療センター

動物にとってのシートベルト

2015/10/31

 動物病院に行く時にちゃんとキャリーバックに入れていますか?

 私はうさぎにかぎらず、犬でも猫でも、キャリーバッグに入れて移動することがとても大切だと思います。

 それはもちろん待合室で他の動物に襲われないようだったり、喧嘩にならないようにだったり、飛沫感染(くしゃみなどでうつる伝染病感染)を防ぐためだったりという理由もあるのですが、そもそも車などでの移動はキャリーバッグを使うべきだと思うのです。

 まちなかで時々自動車の助手席にのった犬とか見ませんか?
 あれ可愛いですよねー
 窓からじっと外を眺めてたり、あるいは開いた窓から鼻先だけちょっとでてたり、中には窓を開けて手をかけて外を眺めている犬がいたり。
 ああいうのみると、「かわいい!」「おりこうさん!!」って、ついつい目を奪われてしまいます。

 でも、ダメだと思うのです。

 今までも何度か、交通事故で車内にいた犬や猫、うさぎがフロントガラス等に叩きつけられ、お亡くなりになったケースを見たことがあります。
 飼い主さんは無事で、動物たちだけが死ぬんです。
 そりゃそうですよね、だってシートベルトしてないんですもの。

 犬の知能は人間で言うと2,3歳児くらいと言われています。
 え!?じゃあうさぎは!?
 とか、いやうちの犬は5歳くらいの知能はあるよ!!
 とかそういう話ではなく、どんなに賢い動物でも、幼稚園児くらいの知能だということです。

 想像してみてください。

 3歳時のお子さんが、シートベルトもせずに、車の中で立ったり、座ったりしてるんです。
 そんな時、急に道路へおばあちゃんが飛び出してきて、運転手は急ブレーキを踏みます。
 お子さんは飛んできますね。
 フロントガラスに向かって吹っ飛んでいきます。

 あるいは3歳時のお子さんを守るためにブレーキを踏みません。
 おばあさんが吹っ飛んでいきます。
 
 ね?怖いでしょ。

 先日この話を飼い主さんにしたら、「そんな危ない運転はしてない」と言われました。

 まあ、それはそうなんでしょうが、交通事故が必ずしも自分に非がないから起きないというわけではなく、天災もあれば、後ろからいきなり追突されることもありますし、あるいはおじいちゃんや小さいお子さんやマイ○ル・J・フォックスが道路の前に飛び出してくる場合もあるわけです。
 
 今まで事故にあったことがない!というのが通るのであれば、誰も事故にはあわないわけで、どんなに気をつけても事故に巻き込まれることがあるからこそ、毎年日本で何十万件もの事故が起き、何千人もの方がお亡くなりになっているのです。 

 自宅のケージが誤飲防止のベビーベッドなら、キャリーバッグは移動時のシートベルトだと思うのです。

 まるで人のように助手席にちょこんと座っている犬をみるのって、動物好きにはたまらない光景ではあるのですが、大事な家族の安全を守るためと、ぐっとこらえてキャリーバッグに入れて、動かないようにしっかり固定してあげるのが良いのではないでしょうか。

 最近は後部座席のシートベルト着用もかなりうるさくなってますから、いい加減動物も規制がかかるのではないでしょうか。

 まあ、法律云々よりもまずは家族の安全。
 
 うちの犬が落ち着きがなくてキャリーに入れないと運転できないから言っているのではありません。
 いや ほんとほんと。


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