とうとううさぎのホームページのコラム題名が「桂枝雀」になっちゃったよ。
ひとりごととはいえ、いくらなんでも・・・と思われる方はスルーしてください。
桂枝雀さんという落語家さんをご存知でしょうか。
私が一番好きな落語家さんです。
先日テレビを見ていたら、林某という予備校の先生が、テレビで桂枝雀さんを取り上げ
てくれました。
ちなみにその番組では以前、村山聖さんというこれまた私の大好きな棋士が取りあげら
れており、それまでその予備校の先生のことは『今でしょ!!』とかいうフレーズしか知
らなかったのですが、趣味が合いそうと勝手に親近感を持っております。
桂枝雀さんは私が高校生の時に初めて見て、それはもう衝撃を受けたものです。
それ以来ずいぶん落語にハマり、枝雀さんのDVDは今も地道に買い集めております。
その時見たのは「時うどん」(江戸落語でいうところの「時そば」)でした。
落語の世界では寿限無同様あまりに有名で、みなさんも一度は耳にしたことがあるかと
思いますが、いわゆる「一、二、三、・・・・・・七、八、おやじ今何どきだい?四ツです、
五、六、七、八、おやじ今なん時だい?・・・・・・」というやつです。
え?知らない??
知らなければスルーしてください。
ま、要はさんざん見倒した、題名を聞けば落ちまで分かる有名な話なので、それまでは
この時そばを聞いても、そんなに面白いと思ったことはなかったのです。
ところがこの枝雀さんの時うどんは、とにかく笑いが止まらない。
面白くて仕方がない。
同じ話で、こんなに面白さが違うものなのかとほんとうに驚いたものです。
座布団にちょっとでも触れていればよしというくらい、大きく動き、時に飛び上がり、
こんなに躍動的にやって良いのか(えらい落語家さんに怒られないのか)というくらい、
アグレッシブに動く動く。
それでいて題材の多くは古典落語(創作落語もされているのですが、個人的には枝雀さ
んは古典落語が好きなのです)で、視線、表情、会話の間などは緻密に計算、練り上げら
れた伝統工芸のよう。
古きを大切にし、それでいてそれに満足せず、新しいことにチャレンジして、新たな落
語ファンを開拓していく姿は、ただ様式美のように決まった形を頑ななまでに守り続ける
落語家さんとも(そういうのももちろん好きなのですが)、若い人受けの良さそうな現代風
の創作落語に専念される落語家さんとも一線を画し、私にはとにかく輝いて見えたのです。
好きなお題の代書屋や寝所などはもう、何十回見たかわからないくらい繰り返し見たの
で、いつしか私の診療中の話口調は落語家のようになってしまったようです。
自分では自覚がないのですが、大阪での修行時代、インフォームドコンセントが落語の
用途、先輩の先生方に指摘を受け、一時落語家先生とスタッフ内でだけ言われていました。
その時自分ではそのような実感がなかったので、今はもう治っているのか、今もそうな
のかわからないのですが、相当影響を受けたのは確かです。
私はどうにもこの「温故知新」を体現するような物や人が好きなようです。
古き伝統を守り、それでいて新しいものに消化し、先行する偉大な先人に必死に追いつき、
追い越そうと虎視眈々と企むような、そういう物や人がたまらなく好きなのです。
落語は桂枝雀、将棋は羽生善治、車はアウディ、時計はフレデリック・コンスタント…
わっかるかなー、わっかんねーだろーなー
いいんです。
単なる趣味のお話です。
ただ、自分もそのような獣医師でありたいと思うのです。
・・・まだ無理ですね。
そのような獣医師になりたいのです。
何十年もの間、偉大な先生方が受け継ぎ、発展させてきた大切な技術、知識を疎かにせ
ず、それを踏まえてなにか新しい発見やより良い治療がないかを常に模索し、偉大な先生
方に追い越せない間でも、少しでも近づけるような獣医師になりたいです。
ま、単なる目標です。
妄想に近いです。
いいじゃないですか、思うだけなら自由でしょ?
来月久しぶりに東京のエキゾチック研究会のセミナーに参加してきます。
桂枝雀さんのようなイケイケの獣医さん達が水滸伝よろしく一堂に会するイケイケの会です。
まだ一月先ですが、楽しみでしょうがありません。
え?急に獣医の話に無理やり戻った!?
わかります?
だって今回は単に、枝雀さんのことが書きたかっただけなのです。
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