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アレス動物医療センター

熱中症にご用心

 暑い日が続いています。
 熱中症対策していますか?
 ウサギにとっては一年で最も過酷なシーズンが近づいております。
 
 連日真夏日と報道され、自宅に引きこもって外にも出ない超インドア派の私ですら、暑さを感じています。
 まだ6月だというのにこの暑さなんなんざんしょ。
 梅雨前に夏が来ちゃった感じでしょうか?

 こうなると心配なのが、毎年6月半ばから大挙して押し寄せてくるうさぎの熱中症です。
 
 ご存じの方も多いと思いますが、うさぎさんは寒さにはとことん強いですが、暑さと湿度にはとことん弱いです。
 暑くなくても湿度が60%くらいになってくると、食欲不振のうさぎさんがわらわらと病院にやってくるわけで、ましてやこの暑さ。
 皆さんのお家のうさぎさん大丈夫ですか?
 
 12時間食欲が落ちたら、もう病院に電話してくださいね( あるいは連れて行ってあげてくださいね)。
 たかが熱中症、されど熱中症。
 24時間食欲不振が続けばもう、消化管の動きは止まり、脱水症状を起こし、脂肪肝になり、胃や腸にガスが溜まり、ますます食べられなくなり、ますます消化管の動きは止まり・・・。
 もう典型的なウサギ食欲不振の連鎖、コンボがファイヤーです。

 食欲不振になっても、すぐに連れてきてもらえればまだ助けようもありますが、「3日前から食べません」とか、ひどいと「1周間前から食欲が落ちていて」なんて連れてこられるともう助けるのが至難の業。
 1日の食欲不振は2,3日で治っても、1週間の食欲不振は治すのに2,3週間、1月近い食欲不振はもう3ヶ月以上はかかると思ったほうが良いです。
 いわゆる「倍返しだ!!」です(古い)。

 24時間クーラー必要ですよ。
 エコじゃないし、お金もかかりますけど、日本でウサギを飼う以上はさけて通れないのではないでしょうか。
 人間は扇風機で良くても、ヨーロッパの雪山からやってきたアナウサギたちにとっては、日本という高温多湿の環境はあまりに過酷なのです。

 特に高齢の子はなおさらです。
 
 生後1,2歳位の子はエアコン無しでも夏を乗りきれることがあります(それでもリスクが高すぎますが)。
 3歳辺りで、夏を乗り越えるのが難しくなってきます。
 それでも食欲のムラ程度でその年を乗り越えても、4歳辺りでガチの食欲不振が来ます。

 人間の熱中症も中高生あたりは結構耐えても、30代、40代と年とともに症状が深刻になり、お亡くなりになるのはほとんどお年寄りばかり。
 3歳で初めて熱中症にかかったうさぎさんを連れて飼い主さんたちは皆口をそろえて言うのです。
 「去年の夏は大丈夫だったのに・・・」

 あと、肥満のうさぎさんは暑い肉襦袢を常時着ている状態です。
 長毛種だとさらに毛皮です。
 お相撲さんが毛皮のコート着て、エアコンのない、高湿度の部屋にいる・・・たぶん死にます。

 室温が25℃超えたらエアコン必要です。
 湿度が60%に近づいたら夜でもエアコン必要です。
 同じ部屋で寝ると人間は風邪ひきます。
 病院のウサギ入院室も今時分からフルクーラーです。
 長時間一緒にいると寒いです。

 節電節電と街中で連呼されている今の御時世、こんなひとりごと書くのもどうかと思いますが、それでもウサギにとっては必要なことなのです。
 ウサギ飼う人はエアコンついた2畳一間の部屋作るとか!?
 
 まあ、そんなわけにもいかないでしょうから、早いとここの暑いシーズンが終わって、ウサギが快適に過ごせる季節が来ると良いのですが、まだ夏すら始まってないんですけどね。

 癌でも腎不全でもなく、飼い方の問題で死を迎えることほど辛いことはないのですから。



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