あこがれの人
っつっても、そんなに色っぽい話ではないのですが、今月初めにあったエキゾチック研究会のセミナーに参加してきました。
参加といってももちろん聞く側で、日本でもトップを走るエキゾチック診療の達人たちが各2時間ほどの講演をされるのですが、どれも素晴らしい。
東京まで頑張って行った価値がある、ほんとうに勉強になるかでした。
北は北海道から南は九州まで、全国に散らばる隠れエキゾ獣医師が一堂に会し、その数約100人(くらいいたのかな?)
皆さん勉強のために遠くから来られているわけです。
その中で密かに私の中でビッグイベントだったのが、4人の発表者の中のS先生とS先生(ややこしいですが、どちらもイニシャルがSなので)。
これはもううさぎの臨床家の中で知らないものはいないというビッグネームで、まさに憧れの人達なわけです。
私のような出不精の人間は獣医学書や獣医学雑誌でそのお名前を拝見するだけで、直接お会いしたことはもちろんない雲の上の方々。
この二人がどちらも来られて、発表されると聞き、いてもたってもいられず、祝日の病院をほったらかしに東京にひとっ飛び。
いや、さすがにどちらも素晴らしい講演でした。
で、この中でS先生(区別つかないけど、勝手に名前上げてご迷惑をかけちゃいけないので)はウサギを含めた、様々なエキゾチックアニマルの診療テクニックを披露されたのですが、ここで結構な衝撃が!
セミナーの冊子を読みながら、講演をお聞きしていたら、うさぎの避妊手術における切開線(どこを切って、手術をするか)というスライドがあり、ちらっと見たら私が日頃切っている場所と同じ場所をS先生も推奨されていました。
犬や猫はもう、どの先生も切る場所は一緒だと思うのですが、ウサギなどのエキゾチックアニマルはまだ試行錯誤の段階で、先生によってきる場所が多少異なるわけです。
「お、S先生と同じ場所切ってる!」と勝手に盛り上がっていると、その切開部位を説明する図の横に「(沖田先生)」と書かれているではないですか。
・・・これ、もしかして私のこと!?
と、何故か動揺する私。
そこでS先生の解説が入り
「これはアレス動物医療センターの沖田先生が提唱されているうさぎの切開線ですね。
うさぎの避妊手術はこの切開部位が良いと思います」
というような発言(動揺し過ぎて、何言ってたかちょっと覚えていない)。
うれしぃーんですけど!
チョーうれしぃーんですけど!!
ひと目がなければ床をゴロゴロ転がってましたね。
わーいとか言って。
いつだったかエキゾチック専門誌の原稿で書いたものだと思うのですが、読んでくださってたわけですよ。
あの駄文を。
チョーうれしぃーんですけど!!!(くどい)
面識もないわけで、わざわざ名前を書いてくださらなくても、問題ないくらいなのですが、律儀です。
S先生チョー優しい!!
セミナーが進んでも、ちょいちょいそのページをチラ見しては、ニヤッとするくらい嬉しかったです(セミナーに集中しろ)。
日頃そのようなセミナーで懇親会など参加することは全くない自他共認める人見知りキングな私ですが、その日は頑張って懇親会に参加してみました。
でも、ダブルS先生はやはり後光が指していて、ちょっと近寄りがたい。
刻一刻と迫る飛行機の搭乗時間。
でも、ここまで来たら、せめてご挨拶だけでもと、勇気を振り絞って、お二人の元へ。
名刺をお渡しし、「アレス動物医療センターの沖田と申します。」と名乗ると
あぁ!という顔をされてS先生が立ち上がって来られました。
「原稿拝見してます」(だったかな?なんか舞い上がってて、このへんの記憶も曖昧なんですが)と、優しく声をかけていただいた挙句に、うさぎの麻酔法やハムスターの骨折について詳しく話しかけてくださいました。
きっとお話好きな方なんでしょうね。
止めどなく続く、エキゾチック診療談義
丁寧に、ニコニコと、話しかけてくださって、もう夢のよう!!
・・・なんだけど、搭乗時間が
いいか!泊まるか!?飛行機なんかキャンセルしちゃうか!!
こんな機会、今を逃したらもうそうそうこない気がする。
明日日曜だけど、スタッフがどうにかしてくれるか!?
いやさすがに祝日、日曜の連投は無理か!?
ちょースタッフに怒られるか!?
さすがにダメか!?
どうしよう!?!?!?
結果、せっかく話しかけてくださってるS先生を遮って、
「申し訳ありません、そろそろ飛行機の時間が・・・」と断腸の思いでフェイドアウト
あー もったいないー!!
もったいなぃぃぃ〜
時間があればもう、朝までお話聞いていたかった!(向こうが望むかは別として)
あんなに穏やかな獣医さんを見たことが無いですね。
あれほど有名な先生なのに、偉ぶる感じが全くなく、私のような若造に丁寧な敬語で話され、全身からあふれだす優しさオーラ。
チョー癒される。
おそらくマイナスイオンがバンバン出てますね。
滝なんか目じゃないですよ。
でも、本当に幸せな時間でした。
病院に帰って、とりあえず、セミナー冊子を見せながら、スタッフにこの話をさんざん自慢しまくりました。
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