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アレス動物医療センター

揚げナス味噌田楽事件

 うさぎのホームページの題名が「揚げナス味噌田楽事件」というのもいかがなものかと思いますが、要は私の晩御飯です。

 先日富山テレビのスーパーニュースでうちの病院を取り上げていただきました。
 富山で年中無休診療をやっているのが珍しいのか、ドキュメンタリー仕立てで10分ほどの特集にしていただき、いわゆる密着で数日間とっていかれました。

 私なんぞが犯罪以外でテレビに出して頂ける機会も今後そう無かろうということで、両親、スタッフを含め結構放送を楽しみにしていました。

 残念ながら診療がたて込み、リアルタイムでは見られなかったのですが、診療が終わった後、録画しておいたものをスタッフみんなでゆっくり鑑賞しました。
 
 題して「とやま物語 密着!ペットの救急医」
 ・・・若干そんなにハードルの上げて大丈夫か!?と心配になりましたが、そこはそれ、さすがプロというか、夜間救急で来院された骨折ワンちゃんや奇跡的に回復したワンちゃんの映像をきちんと捉え、私の実力の、1.2倍くらいのかっこ良さで放送していただきました。
 
 場合によってはちょっと感動できるかも、というくらい良い編集をしていただいたのですが、何故か放送の一部でスタッフ一同大爆笑。

 それが件の「揚げナス味噌田楽事件」だったわけです。

 「診療風景だけでなく、先生の日常も」ということで、自宅にまで来ていただき、私が晩御飯を作り、食べているシーンが流れたのです。
 基本「お風呂とトイレ以外はなんでも取ります」とのことですので、晩御飯くらい当然なのでしょうが、その日のメニューが

1. 揚げナスの味噌田楽
2. 卵の薄揚げ包みあんかけ
3. ごはん

以上3点
・・・精進料理?
 と思わず自分で突っ込みたくなるような地味でいて、かつアラフォー男子としてはいかがなものかという所帯染みたメニュー

 あんなにまじまじ撮影すると思わなかったので、見栄張ってもう一品何か肉料理を作ればよかった・・・とあとで思いましたが、まあ実生活はそんなもんです。

 それでもこのあたりはスタッフもニヤニヤしながら見ているだけだったのですが、その後衝撃のシーンが・・・

 ちょっと引きのアングルで、テーブルにつき、テレビも付けずに、シーンと静まり返った中、一人ナスの味噌田楽を黙々と食べているシーン

 寂しい!寂しすぎるだろう!!
 
 危うく涙を流しそうになってしまいました。
 え?俺って、客観的に見ると、こんなに寂しそうなの!?
 ちなみにテレビは、不用意にスイッチをつけて他局の映像とか流れるとまずいのかなぁと、ちょっと気を使って付けなかったのですが、せめてテレビくらいつけておけばよかった。

 しかもそのシーンの直前にインタビューで「結婚されないのですか?」というような趣旨の質問をされ、
 「下(一階)にスタッフがみんないるから、寂しくないのがまずいんですかねぇ」なんて、ナスを頬張る私にのんきに答えているシーンがもうフリにしか見えない。
 オチ → 一人寂しくご飯を食べるシーンでもうスタッフ一同大爆笑

 まあ、「テレビ見ましたよ」と言ってくださる飼い主さんが多く、皆さん「すごくよかったです」とおっしゃるので、テレビ局側の意図はちゃんと伝わったのだと思いますが、私の日常を知っているスタッフにとっては「院長が一人寂しくナスを食べるドキュメンタリー」という評価になってしまいました。

 かく言う私もすごくよく撮ってくださっているにもかかわらず、あのシーンを見るのが怖くて(寂しくて)2回目見ていません。
 姉夫婦に録画残しておくよう言われているのですが、やっぱり爆笑される気がする。

 まあそれでも、あの放送を見たと来院される患者さんがたくさん来られるので、やっぱりテレビの影響って大きいなぁと実感するのです。
 10年コツコツやってきたご褒美かもしれませんね。
 よかった よかった。

 でももう一品作っときゃよかったなぁ。
 せめてふりかけだけでも・・・



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