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アレス動物医療センター

遠方より友来る

 市外からこられている患者さん5158名、県外からこられている患者さん266名。
 毎週、毎月遠方からこられる患者さんには本当に頭の下がる思いです。

 7月1日に移転を控え、事務仕事が増える毎日ですが、先日移転のお知らせ用ダイレクトメールを作成しているときに、ちょっと数えてみました。

 開業してもうすぐ9年、患者さんたちに支えられての病院なのはもちろんですが、こんなにたくさんの方々か、遠方からこられていたのかと改めて驚きました。
 
 これはつまり、大切なペットのためなら、1時間、2時間の移動は耐えられるという、献身的な飼い主さんたちがそれだけいるということで、はたして自分がその立場だったら、同じように毎週あるいは毎月何時間も車を運転して病院に通うだろうかと、ちょっと考えてしまいます。

 自分で言うのもなんですが、小言、説教の多い診療で、38にもなっていまだに理想論ばかりの青臭い診察をしており、よくも逃げ出さずについてきてくれているものだと感心します(そう思うなら説教しなきゃいいのに)。
 
 先日とあるワンちゃんの患者さんで遠方から2週ごとに来られている方がいらっしゃいました。
 首の椎間板ヘルニアで、とても献身的に看病をされていて、本当に大切にされているというのが傍目にも明らかな飼い主さんです。

 最近ようやく内服薬での治療も終わり、サプリメントだけでの維持治療に移ったので、遠方からしょっちゅう来られるのも大変だろうと、月一回の診察に切り替えましょうかとお伝えしました。

 すると飼い主さんはみるみる不安そうな表情になり
「心配なので、やっぱり2週間ごとに来てはダメですか?」とおっしゃいました。
「それはもちろん構いませんが、遠くから、大変じゃないですか?」とお聞きすると
「それでも、私一人で見ていて、悪化に気づかないと心配ですし、2週ごとに診てもらったほうが安心なんです」と

 その飼い主さんにとっては、2週間に一回私(や弟子)が触り、歩き方を見て、お話して、という行為がそれだけで意味があるのかもしれません。
 改めて、獣医師はただ動物を治すためだけの職業ではなく、飼い主さんを安心させたり、満足させたりという、仕事なんだなと実感させられました。
 
 私のつたないトークや世間話(診療しろよ)でも、何らかのお役にたてるのならと、その飼い主さんは今も2週ごとに遠方から通われています。
 
 私も皮膚科に通ってますが、病院に行くのもめんどくさいですし、待合室で待つのも面倒です。
 ここ数年ずっと同じ薬をひたすらもらいに行くために通っているようなもので、いっそ一年分くらい薬もらえないかしらんと思ったりもします(が度胸がないので、多くくださいとは言ったことがないです)。
 …もうちょっとまじめな患者にならなきゃだめですね。

 本当は病院移転の話が持ち上がった時に、もうちょっと市の中心部に行こうかという話も出たのですが、今のショッピングモールのそばがやはり遠方の患者さんにもわかりやすいかなぁというところで、結局今の病院から100mも離れない超近距離移転となりました。
 複数の国道、高速からのアクセスがスムーズで、もうすぐ新幹線の駅もできるとのことなので(さすがに新幹線で来る患者さんはいないでしょうが)、ショッピングモールの立地としては最高なんでしょうね。

 動物病院としては近隣に民家が少ないわけで、郊外型ショッピングモールはわからないでもないけど、郊外型動物病院てどうなのさと思わず自分に突っ込みを入れたくなってしまいます。
 でも、遠くから通ってくださる方々も、近隣の患者さん同様大切にというと、こんなけったいな立地条件とはいえ、離れるわけにもいかないのかもしれませんね。
 
 昨日は台風の影響で、えらい雨風でしたが、そんな中、傘を飛ばされそうになりながらも70件近くの患者さんが病院に来られました。
 いやいや、もっと天気良い日でもいいんだよ、俺なんか今日出勤するのすら億劫だったのに…とか何とか思いながら、診療するわけです。
 
 一時間、二時間かけて病院に来られる患者さんは、当たり前ですが一時間、二時間かけて帰られるわけで、それに見合っただけの診療が出来ているのかと自問自答します。
 もっともっと勉強して、もっともっと技術を磨いて、もうちょっと説教が短めるなるように努力しなきゃいけないと改めて思うのでした。



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