先日どこかの雑誌に「動物病院にペットが殺される」と言うような題名(だったかな?)の記事が載っていました。
去年あたりにも別の雑誌で同じような特集が組まれていて、情けない話ですが、全部読んでました。
このような獣医師叩きというか動物病院叩きの記事が忘れたころにぽつぽつ出てきて、見るたびに何ともイヤーンな気持ちにさせられます(読まなきゃ良いんでしょうが)。
それだけ獣医師と言う仕事が注目されているのだろうと言うことなのかもしれませんが、やはり結構つらいものです。
雑誌の内容がどの程度本当なのかは別として、同じ「獣医師」と言う職業をしている人がもし本当にそのようなあこぎなことをしているのかと思うと、何とも腹立たしく、また「獣医師」と言う職業に少なからずプライドをもっている自分の気持ちまで汚されるような気がするのです。
このような雑誌の影響か、ときどきですがこちらがわざと治療を引き伸ばして料金をつりあげているのではないかと言う疑いを持たれる方がいて、この誤解を解くのにえらく苦労することもあります。
私は「獣医師」と言う職業は結構良い仕事ではなかろうかと思っております。
放置しておけばおそらく死んでしまっていたであろう動物達を、自分の知識と技術を総動員して元気にする(お手伝いをする)と言うのは、何とも言えない快感があります。
また元気になって後日病院に来てくれるというのも言いようのない喜びを感じます。
そして動物の元気とともに飼い主さん達の顔が明るくなり、感謝の言葉をもらうと天にも登るような気持ちになります。
自分の力が多少なりとも影響して、歩けなかったこが歩けるようになり、ご飯を食べなかったこが食べるようになり、元気のなかったこが元気になるのです。
何とも面白い仕事だと思いませんか(ちょっと不謹慎かもしれませんが)。
診察室ではあまり感情をあらわにはしないよう努めているつもりですが、みなさんが思っているよりもずっと、獣医師は患者さんの回復に喜びを感じているんです。
でなければこんなしんどい仕事やってられません。
ただ、あたり前ですが、獣医師が皆同じような考え方をしているはずもなく、獣医師の数だけ考え方も異なり、私の考え方自体もしかしたらちょっと偏った考えかただなのかもしれませんが、でもやっぱり許せないのです。
獣医師を汚すような記事も、その記事に載るような獣医師も。
記事に罪はなく、その記事によって獣医師のいうことを鵜呑みにしないという啓蒙の意義が充分あることはわかるのですが、やっぱり嫌なものは嫌なのです。
世の中から悪徳獣医師(と言う人達が本当にいるのかどうかはともかく)が淘汰され、飼い主さんは何の心配もなく近所の動物病院に飛び込むことができ、いつでもどこでも安心して診療を任せることが出来る。
そんな時代が早く来ると良いと思いますし、そうなるよう努力しなければならないとも思います。
子供のころニュースで政治家の汚職事件などの報道を見て、政治家という職業は何とあこぎな職業なんだろう、と思っていたのですが、きっと私と同じように「政治家にだって理想をもって働いている人間はいるんだ!」とにがい思いをしていた政治家さん達もたくさんいるのかもしれませんね。
・・・たぶん。
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