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アレス動物医療センター

干支だから!?

 早いものでもう一年経ちますよ。
 あっという間、ぜんぜん年末って実感がないんですが、それは年中無休だから?

 ちなみに今年のクリスマスイブは帝王切開やってました。
 さらにちなみにですが、クリスマスは尿道結石で尿が出せなくなったワンちゃんと戦っていました。
 …で、気がつくと年末らしいっすよ。
 実感ねー。

 ま、こんな感じで、出来ることをひたすら黙々とやってると、きっとあっという間に一年経って、あっという間に年取っていくんでしょうねぇ。

 年がら年中診療してると、盆も正月もあったもんじゃないですが、世の中はすっかり年越しの気配で、浮かれてますか?
 浮かれてますね?こんちくしょう。

 なんでも来年の干支がウサギだからという理由で、ウサギがえらい売れてるらしいです。
 マジですか?とついテレビに突っ込みたくなるところですが、どうやら本当らしいです。

 そういえば今月あたりから、ウサギに関するテレビや雑誌、新聞の取材も多く、口さがない人に言わせると、「センセのとこなんか、うさぎの患者さん多いから、ウサギがバカ売れすると、儲かるんじゃないの!?」なんて気軽なこと言ってくれちゃいますが、ここで一言。

 干支とかいう理由でウサギを飼うなー!!
 
 そんな気軽に飼える生き物でないですから、うさぎは。
 私に言わせりゃ、犬や猫のほうがよっぽど飼うのが簡単ですよ。
 
 もう、ペットショップの前に立って、ウサギコーナーに行こうという人捕まえて
「ちゃんと飼育書読んだ?きちんと飼える準備できてる?毎日掃除できるの?」と問いただしたいくらいです=営業妨害。

 いや、いいんですよ。
 うさぎの魅力をこれを機会に知るって人もたくさんいるでしょうから。
 そりゃあ、それで良いんでしょうが。

 品薄になるくらい売れていくうさぎさんたちの中で、いったいどれだけのうさぎさんが本当に大事にしてくれる飼い主さんと出会えるんでしょう。
 お父さん心配です。

 当たり前ですが、ウサギに限らずコンパニオンアニマルの幸せは飼い主さんしだいですから、ぼんやりしてちゃだめですよ、なんてついお節介を焼きたくなってしまいます。

 ダックスフンドブームから5,6年経ったあたりから、毎月のように椎間板ヘルニアの手術が飛び込んでくるようになりました。
 ダックスブーム以前にはせいぜい年に、1,2件だけだったのに、今は年間20件以上の手術がやってくるわけです。
 手術ではなく、薬などで散らした患者さんは数百に及びます。

 来年がウサギブームとすると、もしかして4年後あたりから、毎週のように子宮癌のうさぎさんが来たりするのか!?と本気で恐い想像をしてしまいます。
 いやいやそれ以前に3年後あたりから、不正咬合の歯切の患者さんがうじゃうじゃ来るようになったらどうしよう…。

 しゃれになんないですね。
 テレビなどもうさぎのかわいい映像ばっかり垂れ流すんじゃなくて、きちんとした飼い方の番組でもやってくんないかなぁ。
 視聴率取れなさそうですけどね。

 ま、私一人が、ここでやいのやいの騒いで、どうなるものでもないですから、せめて患者さんとして私の前にやってくるうさぎさんだけでも、出来るだけ良い環境で飼ってもらえるよう、地道にしゃべり倒すしかないのかもしれません。
 …結構飼育指導のトークって長いんですよねぇ。
 20分?30分?
 いっそビデオか何かにでも録画して、待合にでも流しましょうか。
 あ、それ楽で良いなぁ(作るのが大変か)。

 ブームか何かでウサギが次々と買われていくのも不安ですが、かといって買い手もつかずにペットショップに売れ残っていくくらいだったらやっぱり売れたほうが良いのかしらんとも思ったりするんですよね。
 きちんと飼えば12年だって生きられるんですから、飼った経緯は別として、がんばって長生きさせてあげてほしいです。
 で、ウサギ年生まれで2回目のウサギ年を迎えました、なんて将来言えたら、最高じゃないですか。



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