先日(といってももう結構たつのかもしれませんが)、ネット上で[ウサギ人気]ってな感じの見出しのニュースを見ました。
お、いいね!と思いながら続きを読むと
[ウサギ人気 一方で「飼育放棄」「野良」繁殖も]という、ブルーになる内容が続いていたのです。
年々うさぎの患者さんが増えていき、うちの病院では犬についで猫に匹敵する数に膨れ上がってきているのですが(経営的にどうなんだ、という税理士さんの意見はスルーすることにして)、よそ様の病院もやっぱりうさぎの患者さんが増えてきてるんですかね。
出不精、かつ人見知り、かつ獣医師会の会合にもほとんど顔を出していない、だめだめ院長なんでちょっとよそ様の病院の実情はわかりませんが、確かにうさぎさんは増えてる気がします。
うちの場合はホームページを見てこられる方や、他の病院さんからの紹介でこられる方がほとんどなので、まじめな飼い主さんが多く、家族同然にかわいがり、一生懸命愛してくれる方が多いのですが、やっぱり、ウサギを捨てちゃうような人も世の中にいるって事なんでしょうか。
その記事の続きとしては
うさぎは犬猫のように鳴き声が響かず、においも強くないことから、集合住宅の住民を中心にペットとして定着しつつある。
その人気に比例する形で、飼育放棄が表面化してきた。
しかし、見た目に引かれ、生態をよく知らず飼ってしまうため捨てられる子も少なくなく、
また想像以上に大きくなった。
犬猫のようになつかない。
体毛やエサの牧草で飼う側がアレルギーになった。
買う時は安かったのに、病気になり高額な医療費がかかった。
などの理由で捨てられるそうな。
まあ、私も最近ウサギと猫の毛アレルギーなので(獣医師としては致命的)、そのつらさは良くわかるが、何も捨てなくても、せめて貰い手が見つかるまではがんばれよ。
とつい言いたくなってしまいますね。
ましてや、大きくなったとか、なつかないとか、医療費がかかるとか、そんなことも想像できないくらい想像力が乏しい人間は、動物たちに迷惑かけるからぬいぐるみか写真集でも眺めてなさい、とか思っちゃいます。
これはウサギに限らずなんでしょうが、犬や猫でも、やっぱり飼う前に飼い方の本の一冊や二冊は読もうよ、という気がします。
以前、動物を捨てる人が多いから、ペットを飼うのをライセンス制にして、一定量のお金を国に払わないと飼えない、なんて法律を真剣に考えている人たちがいる、と聞いたことがあります。
そのときは、そりゃまた極端な、という印象を持ちましたが、あながちそう遠い話でもないのかもしれません。
まあ、タバコ税みたいにされても困りますが(私はタバコもお酒も飲まないので、別にいいんですけど)、そのまま国に収めてさよならではなく、ライセンス料で講師を雇って飼い方の講習を2,3回受けなきゃいけないとか、そのライセンス料を元手に全患者さん参加型の保険制度を作るとか・・・
現実問題としては難しいのかもしれませんが、なんかちょっとくらいハードルあってもいいのかもという気がしてきました。
やばい〜、ちょ〜かわいぃ〜、連れてかえるぅ〜(とか言う日本語を使う人がいまだにいるのかはわかりませんが)、とか言って衝動買いする人がいるんだったら、もう終身刑か、百叩きの刑でいいです。
動物好きに悪い人はいない、なんて言いますが、私に言わせりゃ、あんなかわいい動物を捨てるような人はそもそも本当に動物好きじゃないんですよ。
なつかない?
あのべたべたしてこず、たまーに気が向いたときだけ、ちょっと「撫でろや」とやってくるツンデレ具合がいいんじゃないですか。
人間の子供なんか、親よりも大きくなって、中学すぎれば寄り付かなくなって、大学卒業させるまでに何千万もかかるんですよ。
しかも年取ったらかわいさまでなくなる。
うさぎのなんとかわいいことか。
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