日ごろみなさんからのメールを読んでいると、ときどき絶望感のようなものを感じてしまうことがあります。
「世の中にはウサギをまじめに診察している獣医師はいないのか?」と。
まあ、これはちょっと大げさな話で、あそこの病院でこんな大きな病気を治してもらったとか、こんなにすばらしい先生がいると言うような話もたくさん聞くのですが、それをはるかに上回る数の、ひどい内容の診察なり治療なりを受けているという話も耳にしてしまうわけです。
ウサギをきちんと診てくれる病院を探して、病院を転々とする病院ジプシーさんも、かなりいらっしゃるようです。
で、獣医師のはしくれでもあるくせに、ちょっと獣医師不信になったりなんかした時期もありしました。
一生懸命病院を探している、病院ジプシーの人達は、本当に求める病院にたどり着けるのか?と思わざるをえないわけです。
しかし、そうでもないのです。
世の中にはたしかにウサギを一生懸命診察している病院なり、獣医さんなりがいるのです。
昨年11月(だったかな?)にハワイで獣医学会があって、それに参加したときに1週間ホテルで相部屋だった人が、たまたまウサギを中心に診療している人で(初対面だったのですが)、もうこの偶然がうれしくって1週間ひたすらうさぎの話をしていたような気がします。
この方の務めている病院は別にうさぎの病院でも何でもなく、普通の病院らしいのですが、独学で勉強し、臼歯の抜歯なども出来るようにまでなったというえらい人です。
それがもう、独学とは思えないほどウサギに詳しくて、めちゃめちゃ刺激を受け、またえらく感動しました。
しかもそれだけでなく、そこでたまたま再会した大学時代の同級生が、これまたうさぎの歯の治療を中心に研究や学会発表をしているということで、これまたたくさんのことを教えてもらいました。
研究室も同じだった友達で、数年ぶりの再会なのに、毎晩酒のつまみはうさぎの話ばかりだったような気がします。
ちなみにその人が働いている病院も、けっしてウサギばかり診ているような病院ではなく、むしろ犬、猫の患者さんの方が圧倒的に多い、普通の病院だそうです。
たしかにうさぎの診療を頑張っている獣医師はいるのです。
まだまだ数は少ないかもしれませんが、増えていることはたしかです。
だから諦めないでください。
昔獣医師の診療のほとんどは犬ばかりで、猫は治療するものではないという時代があったというのが信じられないくらい、今は当たり前のように猫が病院にあふれかえっています。
ウサギが増え、ウサギを大切にする患者さんが増えてくれば、きっとそれに比例してもっともっとウサギを大切にする獣医師が増えてきます。
今の時点でもきっと県に1人や2人はいるはずです、隠れウサギ獣医師が(別に本人は隠れてるつもりはないでしょうが)。
私がハワイでたまたま2人の獣医師と出会えたように、みなさんもすばらしい獣医師と出会える偶然がどこかにあるはずです。
・・・たぶん。
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