うさぎに限らず、犬や猫でもフードの切り替えは気を付けないとトラブルが起こりやすいものです。
特にうさぎなどの食にこだわりの強い生き物は、ある日いきなりペレットを切り替えると、命がけのハンストを起こして、えらいことになるケースもしばしばです。
基本的にうさぎは体に悪いものが大好きですから、炭水化物や脂肪分が多い質の悪いペレットを好みますし、繊維質が多い良質のペレットを嫌います。
シャトーブリアンに慣れ親しんだ子供が(ろくな子供ではないかもしれませんが)、ある日突然晩御飯にササミやさんまの塩焼きが出てきたら、
「ママぁ〜 僕こんなの食べたくない〜」
というかどうかは知りませんが、うさぎは言うのです。
もっと旨いもん出せや!と可愛い顔で足ダンしてくるのです。
たとえわがままでもうさぎの場合24時間食べないと、胃腸の動きが停止して、そこから一気に鼓脹症に突入したりするので、笑い話では済まないのです。
犬なら5日も与え続ければ、いずれしぶしぶ食べますよ、なんていうこともありますが、うさぎの場合、そんなのんきなことを言っているとわがままきっかけの食欲不振で命にかかわりかねないのです。
犬や猫ならフードの切り替えは食事のたびに4分の1ずつ切り替えてください、ということが多いですが、うさぎの場合は1gずつコツコツと切り替えなければいけません。
例えば今までペレットを1回10g与えていたとしたら、初日は今までのペレット9gと新しいペレット1gをミックスして与える。
これを食べてくれたら次の日は8gと2g、その次の日は7gと3g、これを食べ残したらいったん8gと2gに戻って、食べたらまた翌日は7gと3gをチャレンジ…
と気の遠くなるような作業をする必要があるのです
フードの切り替えでもう一つ気を付けなければいけないのが、フード量の測り方です。
うさぎの場合フードを料理用秤でグラム単位で測っていてくれればまだそこまで大きなエラーにはなりません。
ただ一度計量カップなどにグラムを測って1食分の線を引き、以降ずっとその線までよそっていた、という場合結構危険です。
200tカップ1杯あたり、85gのペレットもあれば、100gのペレットもあります。
そうするとペレットの種類を変えても同じ線で測ってしまうと、10g与えているつもりが12g与えていた、なんてことにもなりかねないわけです。
たった2gがそんなに大事?と思われるかもしれませんが、うさぎにとってはこの2gは大きいのです。
例えば1sのうさぎさんは私の体重の60分の1です。
1gペレットが増えれば、私でいうと60gご飯が増えたころになり、2gペレットが増えれば私にとってはご飯が120g増えた感じになります。
1食ご飯お茶碗一杯多く食べれば、体重なりに影響が出るのは当然です。
うさぎの場合はそこでペレットのカロリーを多くとると、こっそりその分牧草を食べる量が減ってしまうわけです。
2gのペレットを笑うものは2gのペレットに泣くのです。
うさぎの場合はまだペレット1g当たりのカロリーがメーカーによってそんなに大きく変わらないからよいですが、ドッグフードやキャットフードなんかはさらに厄介です。
カップ1杯あたりのグラム数ももちろんドッグフードごとに違いますが、100gあたり400kcalのドッグフードもあれば、100gあたり220kcalのドッグフードもあったりします。
同じグラム数でも、カロリーが全然違うわけです。
このことを考えず、なんとなく新しいドッグフードを買ってきて、今まで与えていたのと同じくらいの量を目分量で与えていると、グラムも変わればもちろんカロリーも変わっているわけで、気がつくと極端に太っていたり、逆に極端に痩せていたりするのです。
犬、猫のフードを変える場合、今まで与えていた量(体積)をそろえるのでも、今まで与えていたグラム(重量)をそろえるのでもなく、同じカロリーになるように計算しなければいけないわけです。
今まで与えていたドッグフードが380kcal/100gで、200tカップあたり85gのフードで、一回0.4カップ与えていたとすると、新しく買ってきたドッグフードは340kcal/100g、200tカップあたり95gのフードで、これを同じカロリーにするには…
なんてことを考えなければいけないわけです。
ああ、めんどくさい。
めんどくさいですね。
ですからあまり目的もなく、フードをころころ変えるのは良くないのかもしれません。
もし何らかの理由でフードを変えなければいけない場合、計算が面倒なら、いっそ主治医の先生に相談したほうが良いのかもしれません。
動物病院にもよるでしょうが、フード量の相談にも乗ってくれる動物病院も多いと思います。
いつも同じフードばかりじゃかわいそう。
たまには別のフードを買ってあげましょう。なんて発想は
気をつけないと、大切なうさぎさんたちに大迷惑をかけてしまうのかもしれません。
でも不思議なことに電卓をたたくのが苦手な人(あるいはめんどくさがる人)に限って、なぜかフードをころころ変えたがるんですよね。
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