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アレス動物医療センター

前歯の不正咬合の子に食べさせる食事は?

疑問、質問

 拝見させていただき、たいへん参考にさせていただいています。
 ぜひ教えていただきたいと思い、メールを送信しました。
 
 2ヶ月前に捨てウサギ(ホーランドロップ)を保護し、世話しています。なので、年齢はよくわかりません。

 右目から涙が出ており、目の周りの脱毛がかなり見られたので、病院に連れて行きました。目薬や抗生剤(種類を変えながら)でよくならなかったので、造影剤を投与してみたところ、『右の切歯の歯根の圧迫による鼻涙管閉鎖』と診断されました。
 あと数回定期的に洗浄して改善するかどうか見ようというということで進んでいますが、点眼麻酔、場合により全身麻酔も必要ということで体の負担も心配しています。

 自分にできることは何かということで、マッサージや涙をふいてあげるということはしています。

 食欲は旺盛で、ペレットはモリモリ食べます。牧草はほとんど食べません。(ひょっとして今まで食べてこなかったかも)

 さて質問ですが、歯根の圧迫の場合、硬い食事は負担が大きいということで、やわらかいペレットにしたり、牧草もなるべく柔らかいもの、あるいはあげないほうがよいと言う意見がある一方、ペレットをモリモリ食べている・マッサージしても痛がらないようなら、切歯の歯根の圧迫による痛みはないのでできる限り硬い牧草を食べるようにしてあげてくださいという意見があり、どうしたらよいのか困っています。

 数件の動物病院に聞いたところでは、牧草は与えてくださいという返答でした。

 実際のところどうなのでしょうか?

お返事

 さて結論から言いますと、牧草はばりばり食べさせた方がよいと思います。

 ペレットはソフトタイプでもハードタイプでも差は基本ないと思ってよいというのが最近の学説です。

 ただ、与えすぎはよくないので、牧草をたくさん食べてくれるのなら、体重の1.25から1.5%以内にすべきです(体重1kgのうさぎさんで、一日12gから15g)。

 切歯の過長が起きているということは、すでに1歳以上(おそらく3歳以上)ではないかと思うのですが、切歯はあまり食事にそもそもかかわっていないはなので、一度不正咬合が起きたら、基本一生付き合っていく必要があります。

 切歯に関しては一度不正咬合が起きると、そんなにペレットが駄目とか牧草が駄目ということはないのですが(もう後戻りできない)、見落としてはいけないのが、切歯の不正咬合が起きているということは、必ず奥歯の不正咬合も起きている(あるいはこれから起きる)ということです。 

 奥歯の不正咬合は即食欲に影響し、すなわち命にかかわってくるものですので、これをいかに防ぐか、あるいはいかに進行を抑えるかがうさぎさんの健康に大きくかかわってきます。 

 で、ここで重要なのが、牧草をたくさん食べて不正咬合を防ぐということであり、前歯のためというよりは奥歯のためという意味のほうが強いです。

 ただ奥歯の不正咬合が悪化すれば、前歯の不正咬合もつられて悪化しますので(後天的な不正咬合は基本的に奥歯の問題が再起のことがほとんどです)、そういう意味では牧草をたくさん食べ、奥歯の悪化を防ぐ=前歯の悪化を防ぐということになるのかもしれません。
  



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