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アレス動物医療センター

サークル飼いのほうが良い?

疑問、質問

去年の夏に、捨てられたと思われるウサギを保護し、ウサギ用のケージで飼っています。

ですが、なかなか忙しくて、一緒に遊んであげることができず、そのほとんどをケージの中で過ごしています。
ケージから出すのは、暖かくて天気のよい日にベランダに出すくらいで、運動不足やストレスがたまらないか心配しています。

そこで、一緒に遊ぶことはあまりできませんが、犬などのように室内にサークルを作るか、大型犬用のケージに変えて、少しでも広めのスペースにしてあげようかと考えているのですが、このアイディアについて、良いアドバイスをいただけると嬉しいです。

あまり広いのも落ち着かないものなのでしょうか?

ちなみに、とても賢いので、トイレは猫用の屋根付きトイレでしかしません。
もし上記の案がOKなら、その中にそのトイレを置こうかと思っています。

アドバイスを宜しくお願いします。

お返事

 さてサークルを作って、運動させてあげるのはとてもよいことと思いますが、ずっとサークルに出しっぱなしだと、だんだん問題行動を起こすようになります。

 行動範囲が広く、自由度が高ければ高いほど、うさぎは自分の地位が高いと勘違いしやすく、ウサギが飼い主さんより自分の方が偉いと勘違いし始めます。
 飼い主さんより地位が高いと勘違いしてしまうと、いざ病気になったときに苦い薬を飲んでくれなかったり、しみる目薬を拒否したりと、治療すれば直せる病気が治療してあげられなくなってしまいます。

 うさぎは犬同様群れの中に順位を決める生き物なので、しつけが少なからず必要な生き物です。

 やはり基本はケージに入れておいて、良い子にしていたら、一日1時間を複数回サークルに出してあげると良いでしょう。
 複数回というのは何かというと、やはりケージから出している間は何か事故がないか(異物を齧ったり飲み込んだりしないか)を見ていてあげる必要があると思います。
 もし飼い主さんが時間にゆとりがあり、サークルでのフリータイムを1日何回も作ってあげられるのであれば、もちろん2回でも3回でも出してあげてよいと思います。

 ただうさぎさんが望むたびにケージから出していると、これもまたうさぎさんが飼い主さんよりもえらくなってしまう(勘違いしてしまう)きっかけになります。
 
 サークルでの運動はとても良いことですが、サークルに出るためには飼い主さんの許可が必要、というシステムが上下関係を維持できて良いと思います。

 例えばうさぎさんがケージから出たいというアピールで、ケージの金網をかんでいたら、飼い主さんがそれを見かねて(歯に良くないからと)ケージから出してしまうと、うさぎさんは「ケージを齧れば、出してもらえる」という学習になってしまうので、ケージの噛み癖がついてしまいます。
 一度ケージの噛み癖がつくと直すのはとても大変で、こじれるとこのケージの齧り癖のせいで不正咬合が起きてしまいます。
 
 ケージを齧っていたら飼い主さんに無視される。
 ケージの中でいい子にしていたら出してもらえるというメリハリも大切です。


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