ネザーランドを飼っています。
どうもエサをやりすぎたのか太ってきました。
楽観視していたのですが、最近軟糞を食べません。
もしかすると太っててお尻まで口が届かず、床に落としているのではないかと疑っています。
ダイエットの仕方と、軟糞を食べられない間どうすればいいか教えて下さい。
切実です。
お願いします!
(一部ホームページ用に中略しております)
まず軟便(盲腸便)を食べられないというのはちょっとまずいことですので、これをどうにか補わなければいけません。
一番良いのはお尻についてる盲腸便を拭い取って食べさせることですが、これができないというなら何かで代用しなければならないということになります。
盲腸便のもっとも大事な成分はビタミン(特にB群)と蛋白質です。で、ビタミンB製剤なるものは大概どこの動物病院でも置いてるでしょうから、お近くの獣医さんにお願いするか(ただ、診察してもらわなければ、出してくれないでしょうが)、ウサギ用のビタミン製剤を買ってくるかすべきでしょう(ただし、このウサギ用のビタミン製剤というものの内訳を私はよく知らないので、安全のためには獣医さんに頼るのをお勧めします)。
あと、蛋白質ですが、これは日本製のペレットを食べてれば、嫌でもたくさん入っているので、そんなに気にする必要はないのかもしれません。
しかし、繰り返しになりますが、本当はお尻についた便を食べさせてあげるのが一番です。
さて、ダイエットについてですが、これはなかなか難しいです。理屈上は簡単なのですが、実行するのが難しいのです。
まず、簡単なチェックですが、以下の質問にちょっと答えてみてください。
ペレット中心の食餌である。
ペレット以外にも何かしらのおやつをあげている(野菜やワラ以外の)。
ペレットの1日量を測っていない。
ペレットの成分表を見たら、線維質が13%以下と書いてある。
ワラや野菜をケージに入れてない日がある
どうでしょう?この中に一つでも「はい」と答えるものがあったら、太ってしまうのはしょうがないといえるでしょう。
ペレットは必ず線維質の高いものを選び(せめて16%)、これを1日あたり体重1kgあたり50gまでとします。で、足りない分はワラ(しかもアルファルファではなくチモシーのワラ)を毎日たくさんケージに入れておき、ペレット自体おやつみたいなものなので、他にはおやつはいっさい与えない(野菜は別です)。
これだけ守れれば、みんなうさぎはスマートで長生き出来ること請合いです。
ただ、これを実行に移すのは非常に難しいです。生まれたときから実行していれば、それほど難しいことではないのですが、ある程度ウサギが成長してしまうと、その食生活を変えるというのは至難の技です。
あせって急に餌を変えてしまうと、うさぎは全く食べなくなって、病気になってしまうこともあります。
ですから、一度にすべてを変えるのではなく、少しずつやっていきましょう。
まず第一に、ペレットは今のままで、量を1kgあたり50gという制限を守ることと、ペレット以外のおやつを止めること、そしてケージの中に野菜やチモシーのワラをたくさん入れることから始めましょう。これらのことに関しては、急にはじめても、それほど害はないと思います。
もしこれすら嫌がるなら、少しずつおやつやペレットの量を減らしたりというふうに、時間をかけてやっても良いでしょう。
でこれを1週間くらい続け、これにウサギが慣れてきたら、次の段階に進みます。
ペレットを線維質の高いものに変えていくのです。せめて18%と書かれたものをと先ほど言いましたが、できたらもっと線維質の高いもののほうが良いでしょう。
私がダイエットでよく勧めるのが、OXBOWというメーカーのBUNNY BASICS/Tという餌で、線維質が25%(だったかな?)、低蛋白、低脂肪、低カルシウムと非常によくできた餌と思っております。
ただ残念なことにペットショップではあまり売ってないようで、うさぎの雑誌やインターネットでの通信販売でないと、ちょっと手に入らないかもしれません。
まあ、この餌じゃなくてもいいですから、せめて18%くらいは線維質の入ったペレットを買い、段々これに切り替えていくということが大事です。
これは本当にゆっくり切り替えていかないと、うさぎはストレスなり何なりで、食べるのを止めてしまうことがあります。
これは命に関わるので、2から3週間くらいかけて、餌を変えるくらいの根気は必要です。
まず、今までのペレットに、こっそり新しいペレットを一粒くらい混ぜてみます。で、これを食べてくれたら、次の日は二粒、その次の日は三粒という風に少しずつ増やしていくのです。当たり前ですが、これにあわせて、前の餌は一粒、二粒、三粒と減らしていきます。
もしいきなり与えても食べるからといって、1日でころっとペレットを変えるのは止めてください。胃や腸がその変化についていけないことも多いのです。
理屈で言うとダイエットは非常に簡単なことです。ただ、実践するのは本当に根気がいることです。
何よりも我慢です。うさぎの我慢ではなく、飼い主さんが我慢しなければいけないのです。
ウサギにとっての肥満は病気といっても言いでしょう。いつか命に関わる日が必ずきます。ですから、心を鬼にし、どんなにかわいらしくおやつをねだってきても、これを撥ね退ける鋼の意思が何よりも大事なのです。
それともう一つ、家族の協力が必要でしょう。飼い主さんが心を鬼にしてダイエットをさせていたのに、おやつをこっそり与える裏切り者がいたら、絶対ダイエットは成功しません。
私の考えはこんなところです。人にもいろんなダイエットがあるように、別の獣医さんには別のやり方があるかもしれません。一つの意見として参考にしていただければと思います。
〒933-0813
富山県高岡市下伏間江371
TEL 0766-25-2586
FAX 0766-25-2584