あるうさぎのメーリングリストで、女の子のうさぎは繁殖する気がないなら避妊手術をしたほうがいいというのです。
         理由は子供を作らないと子宮ガンになりやすいというからだそうですが,繁殖する気がないならしなければいけないのですか?
         それとするなら生後6ヶ月がいいというのですが・・・
         どうでしょうか?本当なんですか?
        
 さて、ご質問の件ですが、結論から言いますと、出来たら避妊手術を受けた方が良い、ということになります。
          
           うさぎの子宮の病気というのは非常に多く、子宮癌がその代表なのですが、命取りの病気です。
           ですから、その予防という意味でも、若く元気なうちに出来たら手術を受けたほうが良いというのが理想論です。
          
           ただ、どんな手術でもリスクというのはつきもので、それはウサギに限らず、犬や猫、人だって全身麻酔というのは、わずかながらも危険性はあるのです。
           特に、犬、猫、人などと異なり、うさぎは挿管(気管の中に直接酸素を流し込むチューブを入れる)ことが出来ないので、マスク麻酔となり(ドラマとかでよく見る、口にかぶせてるだけの麻酔)、その分犬や猫よりも若干危険性は高くなります(中にはウサギに気管チューブを入れられる専門の病院もありますが)。
           気管チューブが入れられるかどうかを別にしても、少なくとも犬猫よりは麻酔のリスクが高いのは確かです。
           ただ、うさぎは4歳で60%が子宮がんに、6歳で80%が子宮がんになると言われており、避妊手術をしていない子はかなりの確率で子宮がんになります。
           獣医師の発想としては、手術の危険性と、将来起こりうる子宮がんのリスクを秤にかけるということになるわけで、私はどちらかというと手術をしてあげたほうが、良いだろうと思っています。
           ただこれは価値観次第ですので、この話をした結果、やっぱり手術は止めときます、という飼い主さんもいました。
           
           最終的には飼い主さんが決めるしかないのですが、出来れば前向きに考えてあげてほしいと思っています。
          
〒933-0813
        富山県高岡市下伏間江371
TEL 0766-25-2586
        FAX 0766-25-2584