「あれも欲しい、これも欲しい、もっと欲しい、もっともっと欲しいー!」なんて、ブルーハーツの歌が昔ありましたが、いまの私もそんな感じです。
この病院をはじめて、結構頻繁に「院長先生の資産運用について・・・」などと言う電話がかかってくるようになりました。
いつもほとんど話も聞かずにお断りして電話を切っているのですが、資産運用が悪いとは言いませんが、残念ながら私には資産なんて立派なものがこれっぽっちもないのです。
動物病院なんかやってると、さぞ羽振りが良いとでも思っているのか(別に動物病院にだけ勧誘の電話をしてるわけではないでしょうが)、どうも多少の誤解があるようです。
確かに病院も軌道にのり、病院の通帳は潤ってきましたが、私の個人通帳は一人暮らしの大学生みたいな残金しかありません。
病院の通帳が潤うなら、私の生活も潤うのかというと、必ずしもそうではありません。
一日一回はジャスコの半額弁当(栄養が偏る)、着てる服はユニクロ(外見も偏る)、乗ってる車は友人に売ってもらった中古の軽四ハコバン。
今日び、大学生の方がもうちょっとましな生活をしているのでは?と言う質素な生活です。
以前近所の高校生が「将来なりたい職業のインタビュー」とか言う内容で、病院に来たことがあり、最後の質問に「月収は、いくらくらいなのですか?」と直球ど真ん中なことを聞かれました。
「個人事業主なので、病院の売上はすべて病院の口座に入っていき、私は財布が空になったらレジから少しお金をいただいてひっそりと生活しています」
と答えて、見事高校生の夢をうち砕いたことがあります。
もっとお金を貰っても良いような気もするのですが、あといくらためればあの機械が買える、あとこれだけためればこの手術器具も買える、と思うと、ついつい手が着けられずにいるのです。
早い話、まだまだ病院の設備投資が必要で、とても自分のことにお金を使ってられないのです(貧乏性だから)。
いつだったかどこかの医療機器メーカーさんが病院に来て、
「○○○という機械ですが、ちょっと前までは手がでない金額でしたが、最近はだいぶ値も下がり、お求めやすい金額になってます」とカタログを広げ始めました。
「いくらくらいなんですか?」と問うと。
「前は1000万だったのが、今はたったの700万で手に入るんです!」と胸を張って答える。
それはペソか?ウォンか?と思いながら、「・・・そりゃー安いや」と苦笑いして、お話を聞いたことがあります。
とかく医療機器や獣医学書はびっくりするような金額のものが多いです。
毎月一冊ずつ獣医学書を買うことにしているのですが、一冊10万円とか言う本もあります。
2万円で買った獣医学書が絵本のような薄さだったりします。
あの器具を買えばこんな手術も出来るようになる、あの機械を買えばこんな検査もできる。
医療機器の進歩はめざましく、次々と良いものが出てきます。
きりがないからと買わずにいると、新しい器具なら助けられるはずの病気や、新しい機械なら見つけられるはずの病気を見逃しかねないのです。
うちのスーパー看護師さんに、「300万円付近で、何か設備投資をするとしたら、何がよい?」と尋ねたところ、
「もうちょっとがんばればランサーが買えますね」と言われました。
「じゃあ、ランサー買って良いのかよ」と聞くと
「駄目です」とのこと
・・・駄目らしいです。
まあ、車には興味はないんですが(と言うか、車の車種をよく知らないのですが)、ベンツもランサーも何ですが、まずは医療機器の充実を、と言うところです。
以前なじみの医療機器屋さんに医療機器の設備投資について聞いたところ
「先生、設備投資も何だけど、いつまでもあんな車に乗ってたら、事故ったとき即死しまっせ」と言われました。
それもまた一理。
とは言え、しばらくは、安全運転に徹しなければいけないですね。
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